Savath and SavalasやDelarosa & Asoraなど、数々の名義で多様な音楽活動を展開している奇才スコット・ヘレンの中で一番有名なプロジェクト、Prefuse73。
そんなPrefuse73の代表作、「One Word Extinguisher」について書いてみたいと思います。
前作「Vocal Studies And Uprock Narratives」は、彼の代名詞ともいえる「ボーカルチョップ」がこれでもかと盛り込まれていた。
ズッタズタに切り刻まれたサンプルやサウンドコラージュ、ボーカルチョップが強調されていて、「ヒップホップのエゴを壊す」的な彼の発言の通り、それらは手法的に斬新だったんだったハズ。
だけど、そんな手法も、若干ローファイなサウンドだったり、無骨なブレイクビーツの上に成り立っていて、時に自然と首を降らされたり、時にチルアウトっぽい雰囲気を醸し出す楽曲たちは「ヒップホップ然」としていたように思う。
本作「One Word Extinguisher」では、2曲目「The End Of Biters」でのみボーカルチョップを披露。前作が話題になってから出てきたフォロワーやリスナーたちに「こっちがモノホンだよ、つーかまだお前らそんなことやってんの？」とでも言わんばかり。
3曲目以後はよりメロディックで、エレクトロニカ的なアプローチで新しい形でのヒップホップビートの在り方を提示していく。
ただ、以下の発言からわかるように、MPCを制作の主軸に置いているためか、ヒップホップの持つフィジカルな印象は残されたままに感じた。
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MPC2000XLの場合、クオンタイズをオフにしてドラムをたたくような感覚で打ち込んでいくと、あたかも楽器を演奏したかのような人間臭いランダム性が得られるんだ。使い込めば使い込むほど、本物の楽器に近い感覚で使えるようになると思うよ。中には異論を唱える人も居るが、少なくとも僕にとってMPC2000XLは本物の楽器だね。
引用元：プレフューズ73 発掘interview【1】 ～ WARPレコーズ特集
「Plastic」では、表面上はビートの上にラップが乗っかっている典型的なヒップホップの体を成している。けど、ビートをループしてフックがあって、みたいな旧態依然としたヒップホップではない。
ビート自身が「俺が主役だ」と言わんばかりに、ラップの上で展開して形を変えていく。
常識とは逆で、ラップが土台になっているようで、これは強烈だった。
でもラップもめちゃくちゃかっこいいです。
「Storm Returns」では、1つの印象的なギターフレーズのサンプルが印象的。
まずはそのサンプルの上にビートが乗っかって、ここまでだと「あるある」なんだけど、そこからビートパターンを変えてみたり、大胆なパンニングだったり、エフェクトで音色が変わったり、手を変え品を変え全く飽きさせない。
いやね、このアルバム、初めて聴いた時は正直まったく理解できませんでした。
でも最近何となく聴き返してみたら、とんでもないことやってるのに気づいたので記事にしてみました。
ズッタズタに切り刻まれたサンプル達が複雑に絡み合って、1つの形になったと思ったらまた分裂してコロコロ形を変えていく。聴いてて気が休まる暇がない。
あと前作もだけど全編通してドラムがかっこいい。とことんかっこいい。
WarpRecordが好きな人は勿論、テクノ・IDMや、フツーのヒップホップが好きだったけど何か変わったの無いかなーと思ってる人に薦めたいアルバムです。
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カタカナだらけやん。
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入野 拓実中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
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1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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