決算書が読めると「なんとなく」から「具体的・客観的」になる




それなりに長く税理士業界で働いているので、色々なタイプの経営者の方を見てきました。

その中で、「決算書・数字が読めるor読めない」というのは、経営方針・性格・人望と同じかそれ以上に差が付くポイントだな、と感じています。

「数字のことは経理or税理士事務所に任せておけばいい」

「税理士が何か説明してたけど正直ちんぷんかんぷんだったな」(これは我々に責任があります…)

あるある、と思われた社長さんに向けて、決算書や数字と向き合っていただくキッカケになれば!という気持ちで全力で書きます。

経営者が決算書を読めないことによる問題点

一言でいうなら「感覚と現実のズレ」が1番の問題です。

規模が大きくなればなるほど、このズレが大きくなっていく傾向があります。

「なんとなく」で経営していませんか?

経営者の方は、毎日毎日、寝ても覚めてもずっと会社のことを考えています。

現在の預金残高はいくらか→今月の売上の状況は?→未払いの残りがいくらだっけ→てことは手元に大体これくらい残るかな→それなら…

と、頭の中では常に金勘定がぐるぐるしているはずですから、全く数字を見ない社長であっても、常に会社の状況は「なんとなく」感覚で把握できています。

しかし、その感覚って、7割方しか一致してないことが多いです(業種や規模なんかによって程度の差はあります)。

その残り3割の、社長の感覚と実際の状況のズレが原因で、会社経営に致命的なダメージを与えてしまうことも。

そのズレの結果としてありがちな問題点を4点挙げてみます。

①イケイケすぎる

⓶怖がりすぎる


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③納得と説明ができない

④分析と改善ができない

これらは全て、決算書や毎月の試算表の数字を読み取っておらず、「なんとなく」で経営をしていると出てくる問題点です。

1つずつ見ていきましょう。

イケイケすぎる

これが一番多いタイプです。

上で述べた感覚的な金勘定が、どんぶり勘定で甘すぎるため…

  • 今の状況でいくら使って良いのか、などの判断が曖昧で、返済計画などを考えず、あればあるだけ使ってしまう。結果、利益が出ていても資金繰りがカツカツになる。
  • 借入や営業の効果で規模だけはガンガン大きくなるが、中身の伴わない急成長なので、倒れるまでも早い。

ワンマン経営タイプの社長に多かったです。

怖がりすぎる

イケイケすぎる、とは真逆のタイプです。

安全で資金繰りに余裕がある状況にも関わらず…

  • 保守的になりすぎて必要のない借入をしてしまい、ムダな利息をたくさん払っている。
  • 確実にリターンのある支出なのに、ヒヨってチャンスを逃すことも。
  • 税金をいくら払えばいいのか等が見えていないため、無駄に不安になってしまう。

リスクを取らなさすぎるのは、一見安全に見えますが、一歩間違えればジリ貧になるだけかもしれません。

納得と説明ができない

数字が読めないことで3割のズレが生じることは前述のとおりです。

会社の状況の3割が掴めないままだと…

  • 利益ではなく、キャッシュフローのみを頭の中で計算している(キャッシュフロー=お金の流れ、も重要ではあるのですが、両者は必ずしも一致しません。)ので、決算書の数字を見て納得がいかない。
  • 利益が出ているのか・赤字なのか、今後どうなるのかを掴めず、決算前に慌てるハメになる。
  • 実際の数字の根拠がわからないため、金融機関に決算内容を説明できない。
  • 業績悪化の兆候に気づけず、手も打てず、気づいた時には…。

「大体わかってればOKでしょ」と思っている経営者ほど危ないです。3割見えない=夜中ライトを点けずに車を運転しているような物だと考えてください。

分析と改善ができない

「納得と説明ができない」と、分析と改善もできません。

会社の状況が掴めていないからです。

  • 決算書を読んでも、どういった要因・過程でその数字が算出されたかがわからないため、会社の問題点や状況が見えてこない。
  • 問題点や状況が見えてこないと、改善策や進退をどうすべきかも見えてこない。
  • つまり、未来へ向けての意思決定ができない。

そのまま「なんとなく」で会社の舵取りをしていると、将来的に大怪我することになるかもしれません。


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決算書が読めるようになれば、こんなメリットがある

「なんとなく」が「具体的・客観的」になる

決算書が読める・数字を見れるようになると、「なんとなく」が無くなります。

会社の業績が順調に伸びていたとします。

その時に「ウチは最近売上が伸びてて調子いいよ~」と、曖昧な言葉で説明するのが「なんとなく」の状態です。

これならどうでしょう。

「売上が全ての月で3000万円を超え、粗利率をキープしたまま前年比150%まで伸びた。無駄な諸経費の削減にも努めたため、利益が~%増加した」

数字を使うことによって、一気に説得力が増しませんか?

決算書が読める・数字を見れるようになると、「なんとなく」から、根拠がある「具体的・客観的」になります。

「なんとなく」だから「イケイケすぎる」「怖がりすぎる」になっていたのが、今の状況が安全なのか、危険なのか。進めなのか、止まれなのかの判断を根拠をもってできるようになります。

「なんとなく」だから「納得と説明ができない」状態だったのが、感覚と数字のズレがなくなり、根拠をもって会社の状況を説明できるようになります。

「なんとなく」だから「分析と改善ができない」状態だったのが、どこが問題点なのかがわかるようになり、改善のための策を練れるようになります。

効率的になる

今まで頭の中で必死にシミュレーションしていたことが、数字を見れば一目瞭然になるので、圧倒的に効率が良くなります。

その分の時間や脳のリソースを他の仕事に充てることができるのも大きいでしょう。

 決算書・数字を読むのは難しい?

中小零細企業の社長が自分の会社の状況を把握し・判断に使うのなら、高度な知識も小難しい簿記の知識も必要ありません。

基本中の基本と、抑えるべきポイントを抑えればいいだけです。

決算書を読むために簿記を勉強する必要はありません。簿記では決算書の作り方は学べても、読み方や活かし方は学べません。

数字に接するうちに簿記についても後付けでわかってきたりしますので、習うより慣れよ、でいきましょう。

経理スタッフや顧問税理士と連携を取り、わからないことは積極的に聞いてみましょう。

決算書・数字は机上の空論?

数字の背景を知っているかがカギ

「数字なんて机上の空論」「決算書は結果論」と仰る方もたくさんいらっしゃいました。

誤解を恐れずあえていうなら、これはある意味正しいです。

経理スタッフや税理士による「~費が多いですね」「粗利率が悪いです」「ここがムダです」「~比率が危険な水準です」という説明は、確かに机上の空論であることがあるからです。

なぜなら、経理スタッフは基本的に経営をしたことがないし、税理士と浅い付き合いしかしていない場合、その税理士は会社の現場のことまではよくわかっていません。

浅い付き合いでも、税理士は数字を根拠に説明することはできるでしょう。しかし何故その数字になったか、の数字の背景までは知りません。

また、経理スタッフは社長に遠慮をして、言いたいことを言えていないケースも多いと感じます。

これでは、その数字の説明や提案には血が通っておらず、確かに机上の空論となってしまいます。

「何故その数字になったか」という、数字の背景を理解していないからです。

何度も書いている通り、数字は客観的な根拠になります。

しかし、その数字が叩き出された背景を知らないと、数字から読み取れる情報は頭でっかちで、上っ面だけなぞったモノになってしまいます。

現場感覚×数字=最強

数字だけでは意味がない、かといって感覚だけでもダメ。

この2つをどちらも持てる人がいます。そうです、社長です。

「数字」を一番経営に活かすことができる人は、間違いなく社長です。

現場の状況・何故この数字になったかの背景を知っている人が、決算書を読む・数字が見るからこそ、数字から会社の状況を正確に読み取ることができ、経営に活かすことができます。

まとめ

社長が決算書を読めるようになるべき理由をサラッとおさらい。

「なんとなく」が「具体的・客観的」になることで、より会社の状況を把握しやすくなり、適切な経営判断をすることができるようになります。

「現場にも出てるから経理や税理士に丸投げしているんだ!数字なんて後からついてくる!」って思っている方こそ、決算書・数字を読めるようになれば、よりストレスなく現場の仕事にも集中できる、という面もあります。

何より、数字を経営に活かすことができるのは、間違いなく社長です。

まずは経理スタッフ・顧問税理士としっかりとした連携を取ることから始めてみて下さい。わからないことは何でも聞きましょう。彼らは数字のプロですから、わかりやすく説明してくれます。即答できなくても、調べて必ず納得のいく答えをくれるはずです。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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