経理に向いている人・向いていない人の特徴・性格を10個挙げてみた




この業界で働いてきて、多くの経理の方と接してきました。
その中で経理の仕事の「向き不向き」も、自分なりに見えてきた気がします。
向いている人にとっては自分の価値を存分に発揮できる仕事ですが、向いていない人にとっては窮屈で居心地が悪いと思うのです。

よく言われる「数字に強い」とか「几帳面」というのはぶっちゃけあまり関係ありません。
もう少し本質的な、人間性などの部分について多く触れたいと思います。

経理に向いている人の特徴10個

僕の独断と偏見で「経理に向いている人」の特徴を挙げ、重要度をA,B,Cでランク付けしてみました。

①勉強が好きな人:重要度A

経理部員は勉強が仕事です。
正確には、勉強をし続けること。「10年前に簿記1級を取りました」で一生食べていける仕事ではありません。

簿記などの会計資格の勉強はもちろん、税法・労務・法務についての基礎知識、経営分析、毎年改正がある法律の知識のアップデート。
PC関連、マーケティング、経営理論とかやる人もいます。勉強するテーマを挙げたらキリがありません。

勉強すること、本を読むこと、セミナーに行くことは経理部員の日常です。

そこで問われる資質は、

  • 勉強を楽しめるかどうか
  • 好奇心旺盛か
  • スキルアップしていくことに満足感を覚えるか

といったこと。
「勉強が好き」というと語弊があるかもしれません。「苦ではない」「仕事で必要ならやる」くらいでもいいでしょう。
会計、税金、経理全般の勉強ってとても楽しいので、最初は嫌々でもそのうちハマって好きになる方も多いです。

何もわからない基礎を学ぶ少しずつ仕事が理解できてくるもっと高度なことを勉強したくなるさらに仕事に役立つ、というサイクルの繰り返し。スキルを磨くことが仕事に直結します。
勉強と成果が繋がりやすく、満足感を覚えられるのも経理の魅力です。

勉強好きな人にとっては天職でしょうね。

②最低限のコミュニケーション能力がある人:重要度A

経理部員には、コミュニケーション能力も必要です。

  • 人と話すのが苦手だから
  • 人見知りだから
  • 人と関わらなくて済みそうだから
  • コミュ障だから

という理由で経理を志望しているなら、認識を改めたほうが良いかもしれません。
(まぁ、実際そういうタイプの方が多いのは確かですが、それと向き不向きとは別問題だと思っています)

経理は、色々な方とコミュニケーションを取っていく仕事です。
社長や役員を中心とした内部の人たちはもちろん、銀行・税理士・会計士・役所関係・営業マンなど、外部の人たちと接する機会も多いです。

特に大切なのが、社長や役員とのコミュニケーション。
彼らが抱えている悩みを把握し、考え、解決策を提示する。時には、自ら課題を指摘することも必要です。

経理は、会社の参謀役のような役割です。経理部に集まってきた数字やデータをもとに、


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  • 受け手が求めている数字・データは何なのか考える
  • 課題や解決策について自分の考えを伝える
  • 難しいことをわかりやすく説明する

といったことをしていきます。
こうして並べてみると難しそうに感じますが、これって「相手が求めていることが何なのかを想像して、提供する」というコミュニケーションの基本なんですよね。

デスクの上で出した「独りよがりな数字」を、体と口を動かすことで「他人とって意味のある数字」に昇華できるかどうか。
基本的には聞き手に徹し、ここぞという時には話し手に回るようなスタンスが良いと思います。

経理に求められるコミュ力は、世渡り上手やパリピとは全くの別物です。
大切なのは、誰とでも話せること、相手の考えを想像してみること、ダメなものはダメと言えること、「コミュ障だから」という言葉で逃げないこと。
そういう最低限のコミュニケーション能力、基本的な人間力が求められます。

③最低限の学力がある人:重要度A

勉強したり、自社の数字を理解したり、それをに伝える必要がある仕事ですから、基礎学力は必要です。

特別優秀である必要はありません。最低限の学力があればじゅうぶんです。
数字を扱う=理系向きということもありません。ちなみに税理士も文系資格です。

四則演算ができて文章が書ければ、経理の資質はあります。

④性悪説で生きている人:重要度B

誰でも信用してしまう良い人よりは、ある程度人を疑える人のほうが向いています。
具体的には、

  • お金は怖い。人を狂わせる
  • 人間は必ず間違える

ということを理解している人です。

企業の不正は、お金が絡んでいるから行われることがほとんどです。お金の横領、着服が一番イメージしやすいかもしれません。
経理は、1円単位でお金を管理しているわけですから、不正に絡む(意図せずとも)機会が必然的に多くなります。

疑う目を持っていれば簡単に防げる不正も、全面的に信じてしまっていては防げません。
そして、不正を見つけることが多いのと同時に、不正を行うことが多いのも経理です。
お金の怖さを理解し、自分自身すらも疑える用心深さが必要です。

僕はちょっと前まで、頭お花畑の性善説主義者だったのですが、そのおかげで結構痛い思いをしました。
仕事(お金)においては、ある程度の割り切りや、人を疑うことは必要です。

プライベートでは別ですけどね。

⑤心配性な人:重要度B

楽天家よりは、心配性の人のほうが向いています。

ちょっとしたミスが大きな損害に繋がることもある仕事ですし、周りからは「ミスがなくて当然」とすら思われています。
そして、常に期限に追われる仕事です。

当たり前のことを当たり前にこなし続けて初めて評価される傾向があります。心配しすぎということはありません。

チェックにチェックを重ねる、スケジュールには余裕を持つ、自分自身を疑う。
こういったリスク管理ができる人は、向いています。

⑥負けん気が強い人:重要度B

経理部って、ちょっと軽んじられる傾向があるように思います(少なくとも中小企業においては)。
理由としては、「経理は売上を生まない」というもの。

まぁ、それ自体は事実なので仕方ありません。
そこで「なにくそ」「経理の価値をわからせてやる」と思えるかどうか(全然気にしないって方もいますが笑)。

優秀な経理部員って、「二癖」ある方が多い気がします。
卑屈になったり愚痴ってるだけの「一癖」だと、経理は辛いかもしれません。


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⑦PC・IT・ガジェットが好き:重要度C

基本的にデスクワークで、毎日PCに触る仕事ですから、PC周りのことが得意・好きにこしたことはありません。
最低限扱えれば問題ないですし、苦手でも練習して克服できますが、やはり、普段から慣れ親しんでいる人にはセンスがあります。

プライベートで、

  • 昔からPC使いまくってる
  • 最新のガジェットに興味を持っている

このようなタイプの人は、経理のセンスがあると感じています。

⑧ルーチンワークや単純作業が嫌いな人:重要度C

単純作業や繰り返しが好きな人が向いていると思われがちですが、一概にそうとも言えないと思っています。
むしろ、ちょっと面倒くさがりな人特有の、

  • もっとラクにできないか
  • どうしたら効率がいいか
  • ミスをなくすにはどうしたらいいか

という発想が、経理部全体に良い影響を与えることもあります。
与えられた目の前の仕事をたんたんとこなす能力も確かに必要ですが、ちょっとした手抜き癖はアリです。

⑨嫌われることを恐れない人:重要度C

経理って、損な役回りが多いと思います。
色んな部署に口うるさくお願いしたり、突っ込んだり、間に入ったり。

特に中小企業だと、総務を兼任する場合もありますし、社長と対等に意見することも求められます。
そういう役割をこなす中で、「細かいなあ」「面倒臭いやつだな」って思われたり、嫌われ役を買って出なくてはならないことが出てきます。

良い関係性を築いた上で、言うべきことは言う、そういう割り切りも大切です。

⑩メモ魔な人:重要度C

何でもメモする癖がある人は強いです。

こういう仕事をしていると、プライベートのふとした時に、仕事に関する良いアイディアが浮かぶことがあります。
そのアイディアを逃がさず書き留めておく癖は大切です。

会議の内容、社長の過去の発言などを記録しておくことも大切です。
定期的に確認することで方向性を確認できますし、新たな発見があるからです。

経理に向いていない人

向いていない人は、向いている人の逆です(当たり前ですが)。
ただ、重要度Aの「勉強が好き」「コミュニケーション能力」「最低限の学力」さえクリアできれば、他は努力や工夫次第でどうにでもなると思っています。

  • 机に向かってまじめに勉強した経験がない
  • 勉強が嫌い、絶対にしたくない
  • 人と関わりたくない

って方は、経理の仕事はしんどいと思います。

逆にこの3つさえクリアできて、経理の仕事に興味があるのであれば、ぜひチャレンジしてみましょう。
仕事で経理の方と関わる機会が多いですが、楽しそうに仕事をしている方、たくさんいますよ。

まずは、本を読んでみる

「自分は経理に向いているのか」という疑問を解決するには、経理の実務書を読んでみることもオススメです。
書いてある内容に興味が持てるなら、向いている可能性が高いでしょう。

「簿記持ち・経理に興味アリ・経験ナシ」という方には、こちらの本がオススメ。

「経理は何をするのか」ということから、実践的な内容まで、幅広く書かれています。
簿記の知識があるからこそ理解できる内容も多いため、知的好奇心をくすぐられ、それなりに読みごたえがあるはずです。

「経験はあるけど、向いていないんじゃないか」「つまらない」と悩んでいる方には、こちらがオススメです。

数字の活かし方のみに照準を合わせた本です。
「こういう貢献の仕方があったのか」と、やりがいや新しい発見があるかもしれません。


[編集後記]

昨日は、クライアントの月次と自分の経理を中心に。

3連休中にネカフェに行き、バキの第二部を読んでいたのですが…あんまりでした。
強さのインフレ化、勝利パターンの陳腐化がつまらなくなる原因だと思うのですが、長期連載だと避けられないのでしょうか…。
自分の好きだったキャラがあっさりボコボコにされたり、キャラ崩壊していると、冷めてしまいます。

最近(?)だと、弱虫ペダルの2年目もそんな感じで、読むのをやめてしまいました。
1年目はめちゃくちゃ感動したんですけどね。。

…ここまで書いて、「ジョジョって偉大だな」って思いました。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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※当ブログの記事は、投稿日現在の法律に基づいて書いております。 改正や個別的なケースには対応していない場合もありますので、ご注意ください。



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