一度上がってしまった生活レベルは下げられない、という話




プライベートでも会社でも、「入ってくるお金」にばかり気を取られがちで、「出ていくお金」の管理は難しいようです。

一度上がった生活水準は下げられない

色々なクライアントを見ていて、「生活レベルを下げる」というのは思っている以上に難しそう、と感じます。

一般的に、業績(あるいは給料)が右肩上がりであれば、比例して生活レベルも上がっていきがちです。

それならば、業績が悪化して収入が減った時は、比例して生活レベルを下げられたらいいのでしょうが、どうやらそう簡単にはいかないようです。

 

生活水準を下げられない理由

どうして生活レベルは下げにくいのでしょうか。

理由として考えたのは、以下のようなものです。

固定費と固定資産が増えている

生活レベルが上がることは、すなわち固定費と固定資産が増えることです。

固定費と固定資産で代表的なものは、

  • 家賃
  • 持ち家

などがあります。

こういったものは、手放すことはもちろん、削ることすら難しいでしょう。

また、外食代やファッション代なども減らしにくいようです。

(これらは会計用語でいう固定費ではありませんが、毎月支出があり減らしにくいという意味で…)

 

1万円の価値が下がる

お金の価値は本来絶対的なものですが、1万円の価値は人それぞれ相対的なものです。

収入が増え、その分消費も増えると、その人にとっての1万円の価値はどんどん下がっていきます。

ずっと同じものでは飽きますし、より良いものを求めるのが人間なので、仕方ありませんが。。


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固定費や消費を増やすのが悪いというわけではなく、バランスの問題です。

 

生活して・遊んで・学んで・貯めるのが理想

右肩上がりは永遠には続かない

今は右肩上がりでも、事業を続けていけば必ず苦しい時期がやってきてしまいます。

自分や会社の力不足によるものだけではなく、景気や政策の変化、法律の改正の影響といった、どうしようもない要素も絡みます。

だからこそ、右肩上がりな時にこそ、将来のための攻めと守りを考えておくべきです。

数年間多額の利益が出たからといって、役員報酬を倍増させたり、高級車をガンガン買ったり、といったことが後からジワジワ効いてきて、苦しむ会社も多いです。

 

消費ではなく、投資する

お金は使う・貯めるだけではなく、投資するのも選択肢の一つです。

投資といっても金融商品ではなく、個人なら勉強、会社なら設備や開発部門などです。

消費が増えると1万円の価値が下がってしまい、さらなる消費を呼びますが、投資は金額以上のリターンも望めます。

イメージとしては、

  • 投資=攻め
  • 貯蓄=守り

という感じです。

消費も合わせて、3つのバランスを意識しましょう。

 

固定資産と固定費を膨らませない

減らしにくい固定費や、お金に換えにくい固定資産は、こだわりがある部分を除き最低限にすべきです。

一度増やしてしまうと減らせないため、増やす時には慎重に考えましょう。

健全な財務体質の会社は、固定資産や固定費を常に見直しているものです。

 

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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