【刃牙道】手段と目的を混同すれば、仕事や行動そのものを楽しめる




仕事や勉強は、それ自体を目的としてしまったほうが楽しいかもしれません。

戦うことは、手段or目的?

グラップラー刃牙シリーズの作品、[刃牙道]の中で、面白いシーンがあります。

“地上最強の生物”範馬勇次郎と、科学技術で現代に蘇った”剣豪”宮本武蔵の会話です。

戦国時代を生き抜き、斬って斬って斬りまくって名前を上げた武蔵。その武蔵の戦う理由は、出世したい、チヤホヤされたい、褒められたい、美味しい食べ物、美味しいお酒、金といったものでした。

そんな宮本武蔵に対し、勇次郎は次のように言い放ちます。

闘争が

目的地ではなく手段か

純度が低い

それに対し武蔵は、

必要か 純度

と、疑問を投げかけます。

 

純粋に強さを求め、戦うことを楽しんでいる勇次郎にとっては、戦うことに理由は必要ないのでしょう。

逆に武蔵にとっては、戦うことは生きるため、良い生活をするための手段。わかりやすく、共感できます。

両者の考え方の対比が面白いシーンです。

仕事は”生活のための手段”か?

このシーンを読んでいて、2人にとっての闘争を、自分にとっての仕事に置き換えて色々考えました。

フリーランスの方には、”仕事が楽しい”、”好きなことで生きる”というメッセージを発している、勇次郎的な考え方の人が多いです。

対して僕は、マイナスイメージを恐れずいうと、”仕事は生活のための手段”とある程度は割り切っています。武蔵的、サラリーマン的な考え方です。

 

ただ、仕方なくやっている人は楽しんでやっている人には絶対に勝てないし、どうせやらなきゃいけないなら楽しんだほうがトクに決まっています。


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今風っぽくいえば、”ライスワークからライフワークへ”、チープな言葉でいえば、”やりがいを見出す”ということになるのでしょう。

仕事そのものを目的化して楽しむための工夫

仕事にやりがいを見出し楽しむためには、仕事を”手段”ではなく”目的化”する工夫をすると良いかもしれません。

僕がやっているのは、次のようなものです。

仕事をシミュレーションゲームとして捉える

仕事をシミュレーションゲームとして捉えると、楽しめます。

  • この集客は上手くいった、逆にこれは失敗した
  • どうしたらもっと良くなるんだろう?
  • 次はこれを試してみよう
  • だんだんと売上(利益)が伸びているな
  • 一番効率が良い投資はどれだろう?
  • お客様の満足度を高めるためにできることはなんだろう
  • このターンはあと1回しか行動できない。どれを優先しよう?

など、日々考えています。毎日書いている(毎日更新ではありませんが)ブログ記事1つとっても、一応戦略を持って書いているつもりです。


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ちょうど経営シミュレーションゲームをやっているような感覚です。

失敗を糧に試行錯誤したり、数字の推移を見たりすること自体が楽しいです。独立後は特に、こういった楽しみ方ができます。

成長自体を楽しむ

“できなかったことができるようになる”というのは、楽しいものです。

だからこそ、未だに毎日勉強していますし、成長を確認するための行動(アウトプットや数字の確認)などをしています。

 

自分の知識欲と成長欲を満たしつつ、それが仕事に活きるようなサイクルを作り出せれば、成長自体を楽しめます。

感謝してもらえることをする

仕事をしていて一番うれしいときは、感謝してもらえた時。

「ありがとうございます」「助かりました」「入野さんのおかげで~」という言葉を頂けると、報われたな、やって良かったな、と、精神的に満足できます。

感謝の言葉は、「人の役に立てた」という満足感・自信を得ることができます。ある意味、感謝は報酬以上に頂きたいものです。

 

だからこそ、「何が求められているのか」「このクライアントのためになるものは何か」と常に考えているわけです。

逆に言うと、感謝してもらえない仕事はできるだけしたくないし、「金払ってるんだから当然だろ」という態度の人とはあまり関わりたくないし、自分がサービスを受けた時は感謝の言葉を伝えるようにしています。

行動の純度という観点からは、手段の目的化は必ずしも悪いことではない

「手段を目的化するな」とよく言われますが、必ずしも悪いことではないと思っています。

極論ですが、長時間労働かつ低賃金でも、働くこと自体が人生の目的でその生き方が幸せであれば、それはそれでいいわけです。

(やりがい搾取みたいな手法やしょうもない洗脳には怒りを覚えますが)

僕自身、勉強やゲームをするのは何か大きな目標があるわけではなく、それ自体が楽しい=目的になっているからです。

 

範馬勇次郎のいう行動の”純度”は、その行動自体を目的としていないと高まりませんし、保てません。純度が低くなると、惰性になったり、最終的にはやめてしまうことにも繋がるでしょう。

武蔵くらい欲求が強ければいいのでしょうが、だいたいの人はある程度のところで満足してしまいますから。

 

何か目標があって、そのために必要なことを手段=ステップと捉えている場合がそんな感じです。その目標は他にも達成できる方法があるかもしれませんし、そうであるならその手段を取らなくてもいいわけです。

僕にとっては、税理士試験がそうでした。

当初は、「低学歴だし特に能力もないけど、それなりに稼げるようになりたい」「雇われるのに向いていないから、独立できる資格がいい」と、手段として税理士を目指しました。

しかし、受験を5年間続ける中で、「はやくこの受験地獄から抜け出したい」「辛い、何でもいいから合格したい、終わらせたい」と、試験合格そのものが目的に変化していきました。

 

「試験合格(資格取得)はスタートライン」「先を見据えて、実務に役立つように勉強しなさい」と、あくまで手段だとする考え方をする人も多かったですし、僕もそうでした。

ですが、今はそう考えてはいませんし、その考え方を続けていたら途中で試験を諦めていたかもしれません。

 

先を見据えていたら、目の前がぼやけてしまいます。目の前のことだけを見ていれば、熱を保ち、ブレずに1つのことに集中し続けられます。

「それなりに稼げるようになりたい」だけなら、税理士じゃなくても良かったわけで、進路変更も選択肢としてあり得ます。

「とにかく試験合格したい」という考えに変化したからこそ、諦めずに継続して、最終的には合格することができました。

 

モチベーションが下がりそうな時、迷子になりそうな時は、遠くのぼんやりとしたゴール(目的)よりも、目の前の確固たる敵(手段)を全力で倒すことを考えるといいかもしれません。

そうすると、今やっていること自体が楽しくなりますし、行動の純度も高まります。


[編集後記]

昨日は、問い合わせを頂いた方と初回面談をした後は、カフェで作業。

娘とレゴや積み木をしていると、「そうそうそうそう、かんたんでしょー」と、娘が褒めてくれます。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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