【感想】佐々木正美の子育て百科は、幼児を持つ全ての親にオススメできる育児の基本書




「佐々木正美の子育て百科」という本を読みました。

イヤイヤ期まっただなかの娘。僕も妻も基本的には楽しんで育児をしていますが、どうしても悩みは出てきます。

「何かヒントは…」と育児書を読み漁った中で、一番”刺さった”のがこの本です。

親が持つ幅広い悩みに応えてくれる本

著者は、児童精神科医として、育児書を多数出しています(名前で女性かと思っていたのですが、男性でした)。

子ども同士のケンカ、子どもの気になるクセや行動、家族構成と育児、悩みについてのQ&Aなどの実践的な内容が数多く取り上げられています。

ですが、僕がこの本で一番感銘を受けたのが、1章の”しつけは、ゆっくり、ていねいに”というテーマ。

他の章が問題についての実践的なハウツーなのに対し、1章は「しつけとは何か」ということから始まり、「どんなふうにしつけるのか」「甘えとワガママの違い」「しつけることと叱ること」のような、育児全般に通じるスタンス、親としての心構えについて書かれています。

この1章こそが、この本の”幹”であり、他の章が枝葉の部分というイメージです。

親としてあるべき姿に迷ったときに、1章だけでも定期的に読み返したいと思っています。

しつけとは何か?という定義づけと、それを達成するための考え方

佐々木正美氏は、しつけをこのように定義しています。

 社会的に容認され、歓迎され、奨励される行為を、子どもたちがいかに主体的に、意欲的に、しかも習慣的に取り組むことができるかを目指すのがしつけです。

皆我が子はかわいいし心から愛しているわけで、犯罪者にしたいと思って育てる人はいませんよね。

誰だって社会的に良いことを、自分から進んでできるようになってもらいたいと思っています。

 

だからこそ、その気持ちが大きくなりすぎてしまったり、変な方向に向いてしまうこともあります。

叱り方を間違えてしまったり、子どもを傷つけてしまったり、親が自分自身を責めてしまったり。


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育児の悩みって、ここに集約されると思うんです。

 

その悩みを放置したままだと、子どももストレスが溜まり、意図した方向とは違った方向に進んでいってしまうかもしれません。

この本は、しつけの定義に沿った方向に、子どもではなく親を導いてくれる本だと思います。

子どもの自尊心を傷つけ、屈服させるのはしつけではない

著者はこの本で、

子どもを屈服させて親の願いを達成するのは最悪で、とてもしつけとは言えません。

と断言しています。

 

例えば、「肘をついてご飯を食べない」ということを伝えるとき。

肘をつくたびに叩いたり感情的に怒鳴ったりするのはしつけではない。

肘をつかない理由を説明したり正しい姿勢をやってみせたり丁寧に進めていくのがしつけ。ということです。

 

先ほど紹介した著者の「しつけ」の定義をもう一度見てみます。

 社会的に容認され、歓迎され、奨励される行為を、子どもたちがいかに主体的に、意欲的に、しかも習慣的に取り組むことができるかを目指すのがしつけです。

キーワードは”主体的に””意欲的に”

確かに、叩かれたり怒鳴られたりしてしぶしぶ言うことを聞くのは、主体的でも意欲的でもありません。

子どもを一人の人間として尊重し、プライドを傷つけないように伝えるからこそ、自分から進んで取り組むようになるということなのでしょう。

「屈服させるのはしつけではない」という著者の言葉は、このしつけの定義と照らし合わせると、一本筋が通った思想のように感じます。

 

そして、1冊を通して、この思想を軸とした子育てノウハウが展開されています。

 

僕は人間関係において暴力は絶対にNGだと思っています。

対等に殴り合えるならともかく、絶対にやり返されない関係性での暴力、例えば、親と子供とか、生徒と教師とか、体育会系の上下関係とかは特にです。

僕自身その手の人たちにばんばか殴られまくってきましたけど、未だに思い出すだけではらわた煮えくり返ります。

「そういうつらい思いをしたから~」と美化していい話だとも思えません。

 

誰しも「暴力は悪いこと」っていう共通認識はあると思うんです。


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なのに上下関係っていうフィルターを通すと「しつけのため」「指導のため」「自分もされてきた」「時には必要」って言葉で正当化され、捻じ曲げられていっちゃう。

例えば我が子が万引きをして、初めて手を上げた。こういうのはまぁ理解できます。でもほとんどの場合は、単なる感情の処理or娯楽のどっちかじゃないですか?

 

殴って良いことなんてひとつもないはずです。「自分もされてきたから」っていう負の連鎖を止めるためには、僕たちが一足先にやめていくしかありません。

大変な時こそ、いかに親が余裕を持てるか?を考える

子どものちょっとしたワガママな言動を受け入れられず、カッとなって理性を失って怒ってしまう。

ありがちですが、深刻な悩みです。それに対して、著者はこう指摘しています。

人から受け入れられるということは、自分も人を受け入れているということです。

自分に受け入れる姿勢があるから、仲間からも受け入れられるわけです。日常の生活の中でそういう人間関係を作っていなかったら、子どもを受け入れる感情の余地はできにくいのです。

ですから子供を受け入れる訓練は、他のいろいろなところで自分が受け入れられる経験をたくさんすることです。

つまり、配偶者に、友人に、地域社会に、職場に受け入れられることが重要だ、と。

この文章を読んだとき、「心の余裕はどこかから無限に湧いてくるものではないし、母性や父性という綺麗な言葉だけで乗り越えられるものでもない」ということを改めて認識させられました。

 

心の余裕は失われていくから、充電が必要。

子どもを受け入れられなくなったら、親自身が誰かに受け入れてもらって心の余裕を蓄えてくる。

そうやってできる限り余裕を持った状態で子供と接する。

 

母親は、専業主婦ゆえの孤独、兼業主婦ゆえのハードさ。どちらも心が擦り減っていく辛さがあるんだろうなと想像しています。

父親にも、また違った種類の辛さがあります。

そのためにも、片方が充電のために外に出た時は、もう片方に安心して子どもを任せられる。そういった夫婦関係を築くことが大切なんだと思います。

 

僕自身、税理士試験を受験していた頃は、孤独で、誰とも関わらず、自分のことで精一杯。娘を受け入れる余裕は、とてもじゃないけどありませんでした。

その時間は戻ってこないし、後悔しているからこそ、今後はできるだけ娘との時間を大切にしたい。

そして、妻に同じ後悔をさせないためにできることは何か。この2つを考えています。

 

さらに著者は、子ども自身も、親を含めた周囲の人間からじゅうぶんに受け入れられることで、心に余裕を持ち健全に自立していく、という旨のことも書いています。

充分に甘えさせてあげないからワガママになる。言うことを聞いてもらったから人の言うことも聞けるようになる、とも。

これには目から鱗がドバーでした。

うちの娘、家でも外でも四六時中「おんぶ、おんぶー」と僕に言ってきた時期があります。

「ちょっとしんどいなーそろそろ勘弁してー」というのを態度に出すほどエスカレート。

ですが、腹を括って「飽きるまで付き合ったるわ!」と決めて数日間ずっと付き合ったら落ち着いたことがあります。

それからは、付き合うと決めたらできる限り徹底的に付き合うようにしています。それも、試験が終わって、独立がひと段落した今だからできることです。

 

親の余裕と子供の余裕。心の健やかさは繋がっていくんだな、と。まず自分が笑顔でいることが大前提。

幼児の子育てに悩む全ての人にオススメできる

育児に悩み、ついついイライラしてしまう人にオススメの本です。

育児が難しい理由の一つに、「しつけ」「ワガママ」といった言葉の定義や正体がわからない、というのがある気がします。定義や正体がわからないものに対策なんて立てられません。

この本は

  • しつけってなんだ?
  • ワガママがなぜ起こるのか?

といった定義づけ、正体を知ることができる本です。

正体がわかれば、対策を練ることができる。対策を練ることができれば、余裕が持てる。そして余裕が持てれば、優しい気持ちで子供に接することができます。

 

ちなみに僕は、「子どもは他人」「他人に期待しない」という考え方を持っているのですが、この本でその考えをさらに固めることができました。

自分が育ってきた家庭環境や、現状の自分と対比した時に、言葉が刺さりまくって痛い部分も多いです。実際僕は、何度か泣きかけましたし。

ただ、良薬は口に苦し。この痛みをしっかりと今後の育児に活かしていきます。


[編集後記]

一昨日は、相続の初回面談。
昨日は、新設法人のクライアントと打ち合わせ。順調なようで、初回の月次が楽しみです。

もともとインドア派で、旅行なんてほとんどしたことがなかったのですが、娘&妻との旅行計画を立てるのが楽しみになりつつあります。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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