税理士業界に身を置いていると、お客様から「節税」に関することを聞かれることが本当に多いです。
皆さん節税っていうと、「税金が減るから、手元にお金が残る」というのをイメージされてるみたいです。
ですが、正直な話、そんな魔法のような方法は基本的に存在しません。
「節税」という言葉の耳障りの良さに騙されない、「税金を払うのは損」という感覚にとらわれないで頂けたら、と思います。
節税すると、減った税金以上にお金が減る
タイトルを読んで「?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
けど、実は凄く当たり前のことを書いただけなんです。
事業を行う上での節税って、基本的に「お金を払う」ものが多いですよね?
お金を払う=経費を増やす=利益を減らす。基本的にこうなります。
そして税金って利益に対して課税されます。
利益の何%、という計算をしている以上、使った金額以上に税額が減ることはあり得ないと思いませんか?
超ザックリな具体例で見てみましょう。
前提:利益が300万円出ています。節税のために100万円使おうかと思っています。税率は20%です。
- 100万円使った場合…300万-100万=200万が利益。200万円の20%なので税額は40万円です。税額40万と節税のために使った100万円との合計、140万円が無くなりました。
- 使わなかった場合…300万円に税金が課されます。300万円の20%なので税額は60万円です。無くなったのは税額の60万円のみです。
このように、節税って確かに税額は減りますが、同時にお金はもっと減るわけです。払った金額以上に税額が減ることはありません。
上記の例だと、たった20万円節税するために100万円使っているわけですから。
「お金を手元に残したい」のであれば、多く税金を払うのが一番手っ取り払い方法です。
何とも逆説的な話にも思えますが、「お金を貯めるにはできるだけ使わないこと」というシンプルな理屈でもあります。
-----スポンサードリンク-----
なんのために事業をしているのか考えてみる
もう一歩突っ込んでみます。
そもそも、何のために事業をしているんでしょうか?という話です。
-----スポンサードリンク-----
色々な理由がありますが、儲けるため、つまりお金を増やすため。これも大きな理由の一つであるのは間違いないはずです。
節税って、その「儲けを減らす」行為でもあるわけです。
良い節税・悪い節税
なにも節税を全否定するわけではありません。でも、節税に良し悪しがあるのも事実です。
良い節税って?
「お金に余裕もあるし、数か月分の消耗品を前倒しで買っておこう」
「利益に応じて、従業員に感謝の気持ちとモチベーションアップの期待を込めて、決算賞与を出そう」
このような節税は「良い節税」です。
明確な意味がある支出で、かつ、会社に残るお金と出ていくお金のバランスが取れているからです。
悪い節税って?
「本当は新車が欲しいけど、節税には4年落ちの中古車が良いらしいし、中古にしよう」
「税金で取られるくらいなら、どんどん使ってしまおう」
このような節税は「悪い節税」です。
特に上は最悪な例です。中古車がその場凌ぎの節税に良いのは確かですが、節税が理由で本当に必要なものを我慢するなんておかしな話です。
下の場合、「よく考えたら特に必要のない無駄なもの」にお金を使ってしまっているケースをよく見ました。税金を減らそうとしすぎて、手元のお金がカツカツになってしまったら本末転倒です。
まとめ
節税策って、魔法のような言葉ですが、実は結構地味なことばかりだったりするんです。
そしてそれは、税理士が決算を組む段階で当たり前に行っていたりもします。
対策をキッチリ行ったうえで算出された税額は、払ってしまうのが実は一番お得かもしれないですよ。
「思ったように利益が出ない」「手元にお金が残らない」「税金が高すぎる」
こういったお悩みを抱えている方に、
僕のノウハウを「ギュッ」と濃縮した「無料マガジン」をプレゼントします。
実際にお客様に提供し、僕自身も実践している内容を無料で公開!
また、平日毎日配信のLINE講座を読んでいただければ、事業で必要なお金の知識が自然と身につきます。
是非あなたのお仕事にお役立てください。
ダウンロード&購読はこちら
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
※当ブログの記事は、投稿日現在の法律に基づいて書いております。 改正や個別的なケースには対応していない場合もありますので、ご注意ください。