個人事業税の確定申告での取り扱いについて解説してみます。
個人事業税は経費になる?
税金=経費にならない、というイメージがあるかもしれません。
確かに、所得税や住民税は経費になりません。しかし、個人事業税は経費になります。
所得税や住民税は、事業を行っているかいないかに関係なく、収入(所得)があれば必ず払う義務がありますが、
個人事業税は事業である程度儲けている人だけに課されるものであり、事業の維持費のような性質があるためです。
他にも、事業用資産の固定資産税、印紙税、登録免許税なども経費になる税金です。
いつの経費になる(する)?
個人事業税をいつの経費にするかは、2つのパターンがあります。
①払ったときに経費にする
1つ目は、払ったときに経費にする処理です。
事業税は8月と11月の2回に分けて納付するので、経費計上も2回に分けてそれぞれ払ったときに行います。
一番シンプルでわかりやすい処理方法です。
②納税通知書が来た時に経費にする
2つ目は、払った時ではなく、納税通知書が来た時に経費にする処理。
税金計算には、「実際に支払ったかに関係なく、支払う義務を負ったときに経費にする」というルールがあります。
事業税について「支払う義務を負ったとき」は、納税通知書が届いたときです。
ですから、8月に納税通知書が届いたら、8月分と11月分の2回分をまとめて経費にできます。
③どちらを選択するか
所得税は1月から12月の区切りで計算します。
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そして、事業税の納期は原則8月と11月ですから、未納分がない場合は、①と②のどちらで処理をしても結果は変わりません。
未納分がある場合は、②で処理をすれば未納分もまとめて経費にすることができるため、トクになります。
基本的には払ったときに経費にすれば良いでしょう。
④前年分を払った時はどうなるか
前年分を今年になって払った時はどうするか。
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前年に②で処理していなければ(払ったときに経費にする処理をしていれば)、今年の経費にして大丈夫です。
仕訳パターンの確認
事業税が8月・11月それぞれ100,000円ずつ、合計200,000円と仮定して解説します。
支払ったときに経費にするパターン
8月、11月それぞれ支払ったときに、
借方勘定科目 | 貸方勘定科目 | 金額 |
租税公課 | 現金・預金 | 100,000 |
と仕訳します。
事業用の現金や預金ではなく、個人のサイフから払った場合の貸方勘定科目は、[事業主借]にします。
納税通知書が来た時に経費にするパターン
8月に納税通知書が来た時に、
借方勘定科目 | 貸方勘定科目 | 金額 |
租税公課 | 未払金 | 200,000 |
と仕訳します。
払ったか払ってないかに関係なく、まとめて2回分経費にしてしまうわけです。
こう処理することで、貸借対照表の[負債の部]というところに、[未払金 200,000]と記録されます。
そして払ったときに、
借方勘定科目 | 貸方勘定科目 | 金額 |
未払金 | 現金・預金 | 100,000 |
と処理すれば、貸借対照表の[未払金]が100,000円減ります。
2回払えば[未払金]がゼロになり、綺麗になります。
この場合も貸方勘定科目は[事業主借]でもOKです。
[編集後記]
昨日は祝日ですが、軽めに仕事。ルーチンワークとクライアントの問い合わせ対応と勉強だけでしたが。
その代わりに今日は午後からオフです。
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1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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