税理士が実際に使ってる法人税&消費税決算申告用チェックリスト




法人決算・申告用のチェックリストの一部を公開します。

決算・申告はチェックが大事

決算・申告の際は、チェックが大切です。

僕は、過去の自分のミスや、税理士が訴えられた事例、本で勉強したこと等をもとにチェックリストを作っています。
チェック項目は日々増えています。ちょっと増えすぎかもしれません。

これ、完全に自分のためのチェックリストなのですが、
ふと「誰かの役に立つんじゃね?」と思ったので、一部だけ(全体の15%くらい)公開してみます。

全部公開するとボリュームがとんでもないことになるし、解説しきれないし、レアケースや高度なこと解説しても迷わせるだけだし、
(何よりあまりネタバレしたくない部分もぶっちゃけあるし)
初心者の方が間違いやすいポイントや、税務調査で特に突っ込まれやすいポイントだけを抜粋しました。

自分で決算組んでる社長様(と、仕事を教えてもらえない会計事務所の新人スタッフ様)のお役に立てれば幸いです。

この記事では、公開するチェックリストの中から、補足が必要な部分を解説します。
(チェックリスト自体は記事の末尾からダウンロードできます)

その①:帳簿のチェック

まずは帳簿(会計データ)のチェックからです。

現金残高の検討

現金の残高がどこかでマイナスになっていたり、
残高が増えすぎていたりしていないか確認しましょう。

現金がマイナスというのは理論上はありえないことですし、残高があまりにも現実とかけ離れているのもマズいです。
対応としては、どこかにミスがあれば修正(ダブりとか勘定科目間違いとか)、
あるいは役員借入金で処理する、ということになります。

期ズレがないか

売上は原則として、「入金された日」ではなく「サービスを提供した日・商品を引き渡した日」に計上するものです。

例えば、3月決算の会社が、
「2019年3月に行った100万円の仕事」を、「実際に100万円が入金される2019年4月の売上」にしていたら、
2019年3月期は100万円売上が漏れている、ということになってしまいます。

こういうのを「期ズレ」といったりします。

ちなみに、仕入や原価は必ず対応する売上と同じ年度に計上しますので、
売上と原価の対応にズレがないかも確認していきます。

翌月末までの通帳確認

3月決算であれば、4月末までの預金通帳明細を確認するようにしています。


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3月分の売上が4月に入金されたり、3月分の経費を4月に払ったりすることも多いため、
翌月末までの通帳を確認しておけば、前述の期ズレ、計上漏れを防げます。

(突発的なモノだと、ついうっかり忘れてしまいがちなんですよね)

在庫の照合

商品・材料などの棚卸を行い、在庫として計上するのをお忘れなく。
利益の金額が変わります。

役員貸付金の利息

役員に対する貸付金がある場合には、利息をとります。
利息をとっていないと、給与として課税されてしまうので。

固定資産台帳と実物の照合

B/Sに載っている固定資産が実際にあるか確認します。
なければ、売ったor除却した等の処理をしなければなりません。

定期同額給与にならないものはないか

役員に支払う給与は、原則として定期同額(毎月同じ金額)でなければなりません。
定期同額でない部分は損金になりません。


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雑収入の消費税区分のチェック

会計ソフト上で[雑収入]に計上すると、消費税は自動的に「課税売上」になるソフトが多いです。
ですが実際には雑収入には、非課税や不課税のものも多くあるので、チェックします。

固定資産の売却の消費税

売却益に消費税をかけている方が多いのですが、
売却金額に消費税をかけるのが正しい処理です。

全ての勘定科目をチェック

最後に、全ての勘定科目をひととおりチェックします。
特に、バランスシートを中心にチェックすると、ミスが見つかりやすいものです。

例えば、

  • 売掛金を眺めてみる→この取引先、売掛金残高がやけに多いな→売上のダブリに気付く
  • 残高がマイナスのB/S勘定科目がある→何かがダブっている・漏れている
  • 補助科目(freeeではタグ)ごとに残高を確認してみる→前月計上金額が翌月にキレイに消えているか

といった感じで見ていきます。

その②:法人税申告書のチェック

次に、法人税申告書をチェックします。

中間納付の確認

e-taxメッセージボックスの[申告のお知らせ]というメッセージで、
いくら中間納付を払っているか確認します。

(e-taxをしていない場合は、保管してある納付書で確認すると良いかと)

別表4

当期中に払っている法人税等や、納税充当金(法人税等/未払法人税等という仕訳です)が加算されているかをチェックします。
これらは会計上の費用ですが、税務上の損金にはならないからです。

別表7

付け忘れ注意。
赤字を繰り越すための大切な書類です。

別表16と固定資産台帳

少額減価償却資産(30万未満資産の一括損金)として経費計上した金額は、300万円未満か(年間300万円限度)

耐用年数を慎重に確認

その③:消費税(簡易課税)のチェック

消費税に関しては、簡易課税の方向けに特に重要なポイントのみを抜粋してみました。

帳簿チェックの消費税関係と併せて、
届出関係・納税義務関係もチェックしてみて頂ければ。

(消費税が絡むのであれば、何らかの形で税理士のチェックを受けたほうが良い、というのが個人的な意見ではあります)

チェックリストExcelのダウンロード

僕自身はevernoteでチェックリストを作っているのですが、
配布用としてExcelで一覧にしてみました。

ダウンロード:法人決算チェックリスト縮小ver

本来は完全に自分向けのものなので、
専門用語のオンパレードですし、「自分だけがわかりゃいいや」的なメモ書きだらけです。
そのため配布用に色々改変したのですが、結構大変でした。。

せっかくなので、参考にしてみて頂ければ。


[編集後記]

昨日は、相続税案件を進めました。

夜からは、四街道の税理士、渡邉さん主催の食事会へ。
初めてお会いする方も多く、楽しめました。

帰りが遅くなることはめったにないので、娘は寂しかったのか、
ドアを開けたとたんに飛びついてきました。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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※当ブログの記事は、投稿日現在の法律に基づいて書いております。 改正や個別的なケースには対応していない場合もありますので、ご注意ください。



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