未経験の分野について、どう勉強してどう仕事をこなしていくか




先日、ツイッターのDMでこんなご質問をいただきました。

いつもツイッター、ブログ拝見しています。 20代での独立のメリット、デメリットの記事、とても興味深かったです。

私は現在、税理士有資格者で実務経験の関係で税理士登録がまだの状態です。

早めに独立、と考えておりますが、相続税申告に関してまだ未経験であり、今後も経験するのが難しそうです。

この点について不安を持っておりまして、このまま未経験の状態で独立してしまってもいいのか?と悩んでおります。

僕なんかが偉そうに答えていいのかよくわかりませんが、、

せっかくご質問頂いたので、自分なりの意見をブログで回答させていただくことにしました。

※ブログネタにすることをOKしてくださったO様、ありがとうございます!

 

経験の有無より、やる気の有無を優先する

このまま未経験の状態で独立してしまってもいいのか?

ここに関しては、全く問題ないのでは?と思います。

僕自身、経験したことがないことだらけの状態で独立しています。

例えば、

  • 給与計算
  • クラウド会計ソフト
  • 書面添付
  • 連結納税
  • お客様との飲み会

どれも割とメジャーな業務だと思いますが、僕は経験したことがありませんでした。

クラウド会計ソフトは独立して一番最初に勉強したジャンルの一つ。書面添付は今後必然的に経験することになるでしょう。

給与計算と飲み会は今後も経験せずに済むならそうありたいです。

 

相続税申告を受けない税理士もたくさんいますし、逆に資産税に特化したいという考えの方もいますよね。

  • 相続税はできたほうがベターだけどマストではないという考えで受けない→他の業務に力を入れる
  • 逆に相続税にステータス全振りする

どっちもアリですよね?税理士だから相続税できないとダメなんてことはないと個人的には思います。

未経験であっても、やりたい分野の仕事なら勉強して仕事を受ければいいし、そうでないならスルーすればよく、そこを独立の足かせと考えるのはもったいない気がします。

 

皆同じだと思いますが、僕も毎日のように遭遇したことがないケースに出会い、そのたびに考え、調べています。

知ってる・知らないではなく、未経験・未知のことに対してどう対応するか、答えを見つけられるかが大切なのではないかな、と。


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それを通してはじめて、机上で学んだ知識が、使える経験へと繋がっていくと思うので。

 

経験のない仕事をどうするか

相続税の申告に限らず、経験のない仕事を依頼されたらどうするか。

基本的な選択肢は、

  • 受けない
  • 受ける
  • 投げる

この3つになると思います。

なかなか悩ましいですが、「どういうケースで、どうするか」をイメージしておくといいかもしれません。

 

未経験だから、受けない

1つは、受けない。

  • メニューから外してしまう
  • お客さんからそういう相談があったら、他の税理士を紹介する

経験がなく、かつ、特別やりたいわけではない仕事なら、断るという選択肢があるのも独立のメリットです。

やりたいジャンルの仕事だけど、難易度が高すぎる、リスクが大きすぎる案件なので受けない、という選択もあるでしょう。

 

未経験だけど、受ける

自分がやりたい仕事であれば、未経験でも受けてしまいましょう。

ただし、受ける(メニューにする)ということは、売り物になる、ということです。

売り物にならないものをメニューに掲げることはないように、事前準備をしっかりしましょう。

  • 仕事で最低限使えるレベルまで自分で勉強をしておく
  • わからないことは誰かに聞ける態勢を整えておく

などでしょうか。

あとはやはり、最初から大きすぎる案件に突っ込むのはやめたほうがいい気もしますね。。

実務やられてる方は重々承知だと思いますが、机上で学んだ知識がすべてだと考えると、地雷を踏みがちなので。。

(経験があるから大丈夫だと考えるのはもっと危険ですが)

 

投げる

  • 外注
  • 従業員
  • 知り合い

に投げる、というのも手でしょう。

(税理士法どうこうってのはナシでお願いします。税務に限らずって前提なので)

 

税理士になってから(独立してから)どうやって勉強するか

未経験の仕事を受けるからには、勉強をしなければいけません。

「税理士は一生勉強だから」と良く言いますし、受験生の頃から「ずっと勉強するんだろうな」と思っていました。

ただし、受験生の頃とは違い、与えられたテキストや問題集も、目標とする試験もありませんから、自発的に勉強をする必要があります。

研修で学ぶ

税理士登録をすると、最低でも年間36時間の研修を受けることになります。

所属税理士会の主催する研修は無料(ですよね?)ですし、協同組合が主催するものなら有料でも2,000円くらいのものが多いです。

他にも様々な団体が研修を行っていますし、マルチメディア研修(ネットで受けられるモノ)もあります。

税理士の研修だからといって難しいものばかりではなく、本当に基礎を学ぶ研修も数多くあります。

まずは相続税絡みの研修に数多く出てみるといいのではないでしょうか。

 

本を読む

研修も大切ですが、日々の勉強の軸となるのは、やはり実務書。

相続税関係の実務書は、正直それほど数多く読んだわけではありませんが、オススメをいくつか挙げてみます。

 

相続税・贈与税 土地評価実務テキスト

土地評価の基本を抑えたら、この本をオススメします。
実地調査や役所調査など、土地評価の実務の流れを知ることができますし、事例が多いので自分の案件との比較がしやすいです。

相続財産がないことの確認 ー見落としてはいけない遺産整理業務の要点

評価明細書ごとに理解する 非上場株式の評価実務

詳細相続税 資料収集・財産評価・申告書作成の実務

相続税申告について全体的な流れを知るために、こういった本を読むのもいいと思います。

この本は立ち読みしかしていませんが、良さそうな印象を受けました。

(岩下忠吾さんの本はわかりやすいものが多いと感じています)

 

あと、税理士ではない一般の納税者の方向けの本を読むこともオススメします。

(これは相続税に限った話ではないですが)

 

会員相談を利用する

税理士登録して税理士会の各支部の会員になると、会員相談というものを受けられます。

法人税だったり資産税だったり消費税だったり、(あるいは法務だったり)その分野に詳しい税理士に会って相談ができる制度です。

僕も一度土地評価で悩んだ際、一人では答えを出せない&金額が大きいので、この制度を利用したことがあります。

その時に相談員だったのが上述の岩下忠吾さんだったのですが…バケモノだなと思いました(;’∀’)

難問事案に遭遇して自分では結論を出せない場合、利用してみると良いと思います。

(他の支部との違いがあったらすみません。。僕は千葉県税理士会しか知らないので…)

 

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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