会社設立freee使って自分で合同会社(LLC)作ってみた。準備から設立後の手続きまで超絶まとめ




僕は、独立してからずっと個人事業主として活動していました、が。
社会保険の関係や、純粋な税理士業務以外の仕事のやりやすさなどを考え、法人を設立しました。
(税理士業務は、今後も個人事業主として行うことになります)

会社を作るのって結構面倒で、

  • 手続きが面倒
  • わからないことが多い
  • 時間がかかる
  • お金もかかる

といった点を乗り越えなければいけません。

自分で設立する場合、お金はかかりませんが、手続きが面倒で、わからないことは調べなきゃいけないし、時間もかかります。
司法書士に依頼すれば、ストレスや時間は短縮できますが、今度はお金がかかります。

僕自身、「面倒臭いし、知人の司法書士にお任せしようかな」とも考えたのですが、ネタにもなりますし、自分でやってみることにしました。

そこで、今回僕が利用したのは、「会社設立freee」というサービスです。
クラウド会計ソフトで有名なfreeeが提供しているサービスで、会計ソフトと同じく、手軽さ・はやさ・わかりやすさをウリにしています。
「5分で必要な書類を一括作成」「会社設立手続きの手間を最小限に」という謳い文句どおり、とてもラクです。

会社設立freeeを使えば、

  • 自分で
  • 安く
  • 早く

会社を設立することができますし、会社設立後に必要な「税務関係書類の提出」「銀行口座開設」などの手続きもサポートしてくれます。

今回は、僕が実際に会社設立freeeを使って合同会社を設立したときの流れを記事にしてみました。
会社設立freeeの評判が気になる方の参考になればと思います。

会社設立freeeの評判が気になる方へ伝えたい、オススメする理由とイケてない点

最初に簡単なレビューをしていきます。

イケてる点①:設立費用が安く済む

会社設立freeeは無料で使うことができるので、司法書士さんに依頼するよりも安く設立することができます。

僕が会社設立freeeを使って会社設立する際に実際にかかった費用は、

  • 登録免許税→6万円
  • 会社の印鑑→15,900円
  • 電子定款認証を行政書士に依頼する手数料→5千円
  • 自分の印鑑証明→300円
  • CD-R→410円
  • 法務局への電車代→1,280円

合計、82,890円でした。

株式会社の場合は、

  • 登録免許税→15万円
  • 公証役場の定款認証→5万円

ですから、合同会社の場合より14万円ほど多くかかると考えてください。


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あ、資本金はもちろん別で必要ですね。

イケてる点②:時間と手間がかからない

会社設立freeeは、ネット上で画面に従って入力していくだけで手続きに必要な書類が完成します。
freeeと提携している行政書士さんとはメールでやり取りしますし、レスポンスもはやいので、家から出たり電話したりっていうストレスがありません。

とにかく、時間と手間をかけずに会社設立することができます。
印鑑も同時に購入したりできますしね。

僕の場合は、5/7に会社設立freeeを使い始めて、設立日は5/18。
スムーズにいけば2週間弱で設立することができます。

イケてる点③:設立後に必要な手続きもサポートしてくれる

設立後には、社会保険の加入手続き、税務関係書類の提出、クレジットカードの申し込み、銀行口座開設などを行う必要があります。
これら面倒な手続きも、自動的に書類を作成してくれたり、指示してくれたりします。ありがたいです。

イケてない点①:営業される

会社設立freeeに登録すると、メルマガとかが来るようになります。

会社設立までは無料でサポートして、その後は有料で!というビジネスモデルでしょうし、当たり前といえば当たり前ですね。
freeeが気に入れば契約すればいいですし、不要だと思えば解約すれば問題ありません。

イケてない点②:社会保険や自治体への提出書類は結局自分で書かなきゃいけない

会社設立後に、社会保険や都道府県・市町村へ各種書類を提出する必要があります(後述します)。

これらの書類については、自動的に連動されておらず。
各書類のフォーマットへのリンクが張られているだけでした(しかもリンク切れだった)。

これらの書類は自分で記入する必要があります。

事前に用意しておくべきもの・決めておくべきこと

会社設立をスムーズにするために、以下のものを用意し、決めておきましょう。

  • 上述したお金と時間
  • 代表者の印鑑証明
  • CD-Rを1枚
  • 会社名を決める
  • 事業目的を決める
  • 資本金はいくらか
  • 資本金を入金する
  • 決算期をいつにするか

それぞれ解説していきますね。

代表者の印鑑証明

代表者の印鑑証明書を用意する必要があります。

印鑑登録をしていない場合は、まず印鑑の登録を市役所で行います。
顔写真付きの身分証明書と登録したい印鑑を持って行きましょう。

代表者以外にも出資者がいる場合には、その方の印鑑証明も必要です。

CD-R1枚

電子定款データを保存し、法務局に提出するのに必要です。

事業目的を決めておく

事業目的を一言でいうと、「何をする会社なのか」ということです。

例えば、

  • 経営コンサルティング業
  • 建設業
  • 不動産業

といったものです。

メインとなるであろう業種を一番上に記載し、副業的な事業や、今後行う可能性がある事業をたくさん書いておくといいでしょう。

このサイトを参考にしてみてください。

資本金をいくらにするか

税金的に有利なので、とりあえずは1,000万円未満(以下じゃないです)にすることをオススメします。

関連記事:会社設立・法人成り。資本金はいくらがいいのか?

資本金を入金する

資本金を決めたら、同額を個人の口座に入金しておきましょう。

  • A口座からB口座に振込
  • ATMで入金

のどちらでも大丈夫です。

会社設立後、会社の銀行口座が開設したら、個人の口座から会社の口座に移しましょう。

決算期をいつにするか

決算対策をじっくり行うために、閑散期に設定することをオススメします。

関連記事:決算期はいつにする?

会社設立freeeで実際に会社を設立する流れ

やっと今回の記事の本編です。実際の画面を使って解説していきます。

まずは、会社設立freeeにアクセス。
「無料で設立書類を作成」か、右上の「無料で始める」をクリックし、メールアドレスなどを入力して、アカウントを作っておきましょう。
料金はかかりません。

流れに沿って記入していく

基本的に、流れに沿って入力していくだけで必要書類が完成します。
こんな感じ↓の画面が続くので、質問に答えていきましょう。

「税理士さんとのお付き合いについて~」については、「紹介しますよ~みたいな営業が来たら鬱陶しいなあ」「てか僕自身いちおう税理士だし」と思ったので、契約中ということにしておきました。

会社名、住所、代表名、事業内容、資本金、決算期などを流れにそって入力していきます。
合同会社の場合は、画像の青丸部分をクリックすれば画面が切り替わります。

会社の印鑑を作る

会社の印鑑を注文することができます。

実印・角印・銀行印・マットのセットです。
僕はこだわりがなかったので安い方を選びましたが、特に問題なく使えています。

設立関係書類には会社の実印を押す個所があるため、印鑑が届くまで設立は終わりません。
僕の場合は、注文してから4日で届きました。
事前に他のところで購入しておいたほうがスムーズでしょうね。少し調べるだけでもっと安いところもでてきます。

印鑑が届くまでの間に、印鑑証明やCD-Rなど必要なものを用意したり、下記の手続きを進めていきましょう。

定款認証をする

定款を、電子データにするか、紙にするかを選択します。

定款=会社のルールが記載された書類です。

紙定款だと印紙税が4万円かかりますが、電子定款だと行政書士に5千円払うだけで済むので、電子定款を選びましょう。
印紙税は紙の文書に課されるものですから、電子データにはかかりません(印刷してもかかりません)。

また画面に沿って進めていきましょう。

電子定款を選択し、メールアドレスを入力すると、freee提携の行政書士さんからメールが来ます。
そこからは行政書士さんとメールで直接やり取りを行い、指示に従っていけばOKです。

  1. 指定された口座に手数料5千円を振り込む
  2. ダウンロードした定款のPDFデータをメールで送る
  3. 電子署名をした定款が行政書士さんから送られてくる

といった流れになります。

定款は会社設立freeeのフォーマットで自動作成されています。
僕は少し気になる箇所があったので、行政書士さんに伝えて変更していただきました。

返ってきた定款データはCD-Rに保存します。法務局に書類を提出するとき、CD-Rも一緒に提出することになります。

※電子データとはいえ、れっきとした会社の定款になりますから、ご自身でもしっかりと保存しておきましょう。

ちなみに、行政書士さんとのやり取りに、僕はgmailアドレスを使ったのですが、迷惑メールフォルダに入れられていました(;’∀’)

行政書士さんからメールが届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認してみてください。


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資本金の入金証明書類を用意する

「資本金を個人の口座に振り込んでおく」と上述しましたが、その振込を証明する書類を用意します。
これも画面の指示に従えば問題ないでしょう。

僕はネットバンクだったので、スマホでスクショを取る→プリントアウト、という流れでした。

提出書類をまとめる

ここまでで、必要な書類は全て作成できました。
書類をダウンロード→プリントアウトし、指示に従ってまとめましょう。

ここで、定款を含めたすべての書類について、誤字脱字や漏れがないか、ざっくりチェックしておきましょう。
自動連携なので基本的には問題ないはずですが、そもそも自分が入力した内容に誤字があったりするものです(僕も1箇所やらかしてました)。

正直まとめ方の指示がざっくりしてて少し混乱しましたが、法務局の方がチェックしてくれるのであまり気にしなくてもいいでしょう。
割印を含めて印鑑がしっかり押されていて、書類の不備がないかどうかを中心にチェックしてみてください。

そして、表示されている法務局に書類を提出しに行きます。
※僕の場合は千葉市にある千葉法務局本局。地元に支局もあるのですが、支局では設立登記関係の手続きは取り扱っていませんでした。

「持ち物リスト」がありがたいです。しっかりチェックしましょう。

登録免許税は、株式会社の場合は15万円、合同会社の場合は6万円。法務局で払う(印紙を購入する)ことができますから、その分の現金を持っていけばOKです。

法務局にGO!

いよいよ設立です。といっても、まとめた書類を法務局に提出するだけです。2分で終わります。
「えっこんなあっさりしてるの…」と拍子抜けしました。。

  • ~日が登記予定完了日ですよ
  • 不備がある場合はこちらから連絡します
  • 連絡がない場合は無事完了しています

といった説明を受けます。

僕の場合は、こんな書類を渡されました。

設立後にやるべきこと

法務局から連絡がこないまま登記予定完了日を迎えたら、設立は完了しています。

設立が完了したら、法務局に行き、以下の3つのものをとってきましょう。

  • 登記事項証明書→会社の身分証明書みたいなものです
  • 印鑑証明書→会社の実印を登録します
  • 印鑑カード→これを作っておけば、登記事項証明書や印鑑証明書が今後ラクに発行できます 

これも申請書をダウンロードし、法務局に提出すればいいだけです。手数料が1通あたり数百円かかります。
ちなみに、この手続きは支局でも可能ですから、最寄りの法務局に行けばOKです。

登記事項証明書と印鑑証明は、社会保険や銀行口座開設などの手続きで設立後すぐに使います。
原本を5通ずつくらい用意しておくといいでしょう。

会社設立の手続きはこれで終了です。

会社設立後に必要な手続きもまとめて行うことができる

会社設立freeeでは、会社設立後に必要な手続きも簡単に行うことができます。

会社設立後には、

  • 社会保険・厚生年金の加入手続き
  • 税務署・県税事務所・市役所への各種税務関係書類提出
  • 銀行口座開設
  • クレジットカードの申し込み
  • 税理士探し

などをする必要があります。

会社設立freeeでは、今回入力したデータをもとに、これらの手続きに必要な書類も自動で作成してくれています。
下の画像は、実際の画面です。1つ1つ見ていきましょう。

年金事務所に行く

社会保険の手続き書類に関しては、様式がダウンロードできるだけで、自動連携はされていませんでした。
ただ、最寄りの年金事務所と、必要な持ち物が表示されているので、早めに年金事務所に行って手続きをしましょう。

年金事務所に登記事項証明書の原本と、会社と個人の印鑑を持参し、「法人設立したのですが~」と声を掛ければ大丈夫です。
必要書類は年金事務所に揃っていますし、書き方も教えてもらえます。

税務署へ行く

会社を設立すると、所轄の税務署に、

  • 設立届
  • 青色申告承認申請書
  • 給与支払事務所の開設届出書

を提出する必要があります。

給与を支払うのが10人未満の場合は、源泉所得税の納期の特例の申請書という書類も併せて提出することで、源泉税を半年に1度まとめて支払うことができるので、ラクです(原則は毎月支払わなければなりません)。

これら4つの書類が自動連携されて全て完成しており、どこの税務署に提出すべきかも教えてもらえます。
作成された書類を見てみましたが、問題なく出来上がっていました。

会社設立freeeを使う場合、e-taxはできないので、紙で提出することになります(僕は慣れているe-taxでやってしまいましたが…)。
原本と控えをプリントアウトして、定款と登記事項証明書のコピーと一緒に、表示されている期限内に税務署に提出しましょう。
控えは受領印をもらって、保管しておいてください。

税務署に持参しても良いですし、郵送でも大丈夫です。
郵送の場合は、切手を貼った返信用封筒を入れておくのをお忘れなく。

  • 原本と控えが必要
  • 定款と登記事項証明書のコピーを併せて提出
  • 持参or郵送どちらでもいい

この3点については、下記する都道府県税事務所・市町村役場でも同じです。

都道府県税事務所・市町村役場へ行く

税務署だけでなく、都道府県・市町村といった自治体にも法人設立届を提出する必要があります。
こちらの書類に関しては、自動連携されていないだけでなく、書類へのリンクも切れていました。

もしリンクが切れていた場合、

  • 〇〇県 法人 設立届
  • 〇〇市 法人 設立届

などでググれば、フォーマットが出てくるはずです。

内容は税務署に提出する設立届と似ていますので、そちらを参照しながら書くと良いでしょう。

法人用の銀行口座を作る

法人の銀行口座開設って、審査があったり、書類の数が多かったり、時間がかかったり、意外と面倒なんですよね。。
これも自動連携して、ネットバンクやメガバンク、地元の地銀へまとめて申し込むことができます。

ネットバンクの審査基準は厳しくなっていますし、時間もかかるため、はやめに複数の銀行に申し込むことをオススメします。

開業直後でも使えるクレジットカードを作る

freeeカードという、freee提携の事業用クレジットカードを作ることができます。

法人のクレジットカードの審査って厳しくて、まだ決算を迎えていない設立当初の法人の場合、なかなか審査に通らないと聞いていたのですが、、、

freeeカードは一発で通りました。しかも、申し込んで2日後に審査完了のお知らせが届くというスピーディーさ。
僕が通ったということは、大抵の方が通るってことだと思います。

外部リンク:freeeカード

それ以外の項目

それ以外の、

  • 自分に合う税理士を見つける
  • 会社のお金をラクに管理する
  • 立ち上げ時に足りないものをお得に揃える
  • 役員報酬や、従業員の労務をラクに管理する

といった項目は、「会計freee」「人事労務freee」といった、freee本来のサービスへの申し込みだと考えてください。
会社設立freeeとは違い、これらのサービスには当然お金がかかります(会社設立freeeはこれらに繋げるための窓口なんですかね)。

会計freeeは、

  • クラウド型だから、ネット環境があればどこでも使える
  • 銀行口座やクレジットカードと連携して、経理が自動化されてラク
  • わかりやすいユーザーインターフェース

といった特徴があります。
「ラク」「はやい」「わかりやすい」といった意味で、会社設立freeeとコンセプトは似ていると感じます。
会社設立freeeに好印象だった方や興味がある方は、無料期間で体験してみても良いでしょう(まわしものじゃないです)。

「自分に合う税理士を見つける」では、freeeを導入している税理士を探すことができます。
これを使って探すのもアリですが、安易に税理士を決めることはオススメしません。
社長と税理士は、長い付き合いになることが多いので、相性が大切です。
HPやブログなどで税理士を探し、何人かに会ってから決めることをオススメします。


[編集後記]

最近は目黒でRPA(Robotic Process Automation)のセミナーに参加したり、某誌に寄稿依頼をいただいた記事の執筆などをしていました。
イケてる先輩方に刺激を貰うことができたり、意外なところから声をかけていただけたり。ありがたいです。

マリオカートの大会(タッグ戦)に参加したのですが、全く点が取れず、一回戦負け。。
悔しかったですし、相方さんにも申し訳なかったです。
何もさせてもらえず、「自分たちのサッカーができなかった」的な気分。精進します。

[パパ日記]

日曜日に体調を崩していた(吐瀉物を体にぶちまけられて飛び起きた)ので、妻と3人で休日当番医療機関へ。
体調が悪い日はおとなしいです。翌朝にはピンピンしてましたが。。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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※当ブログの記事は、投稿日現在の法律に基づいて書いております。 改正や個別的なケースには対応していない場合もありますので、ご注意ください。



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