流動比率とは?当座比率とは?計算方法・目安・注意点について解説




会社の短期的な支払能力の安全性を図るモノサシとして、「流動比率」と「当座比率」という指標があります。

今回はこの2つの指標の概要と留意点について解説していきます。

流動比率とは?

流動比率の計算方法

流動比率は、以下の算式で計算されます。

流動比率=流動資産÷流動負債

流動比率の概要について解説

流動比率は、会社の短期的(1年以内)な安全性を測る指標です。
B/S上の流動資産には、

  • 現金預金
  • 受取手形
  • 売掛金
  • 商品

など、お金そのものや、1年以内にお金として回収できるものが載っています。

逆に、流動負債には、

  • 支払手形
  • 買掛金

など、1年以内に払わなければいけないお金が載っています。

資金繰りを考えた場合、流動資産(1年以内に回収できる金額)>流動負債(1年以内支払う金額)、という状態が望ましいですよね?
流動比率とは、1年以内に支払うキャッシュに対し、1年以内に回収できるキャッシュがどれくらいか?の比率を出す指標です。
100%を超えていれば、流動資産で流動負債をまかないきることが可能で、かつ、手元にお金が残るということです。

次のようなB/Sの場合、

流動負債100に対し、流動資産は150。
流動比率は150%ですから、返済するキャッシュに対して、1.5倍の回収するキャッシュがあるということになります。

1年以内に現金化できるものが150、1年以内に返済するものが100ですから、差引50が余裕資金として残ります。

何%くらいがいいのか?の目安

流動比率が高いほど、資金繰りの安全性は高いです。


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一般的には150%~を目指すべきで、200%を超えているのが理想だといわれます。^

注意点

流動比率は、安全性を測る指標としては、簡易的なものです。

流動資産には、

  • 商品の在庫
  • 役員貸付金

など、1年以内に現金化できるか微妙なものが含まれている場合も多く、これらの金額が大きいために流動比率が高くなっている場合は、安全とは言えません。
また、売掛金などの中に、回収できる可能性が低いものがある場合などは、それを省く必要もあります。
本当にすぐ現金化できるものはどれくらいあるのか?をチェックしましょう。


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当座比率とは?

当座比率は、会社の短期的(1年以内)な安全性を測る指標という意味では流動比率と同じです。
ですが、当座比率は、流動比率より厳しい基準となっています。
在庫の金額が大きい場合などは、当座比率を指標を使うと、より正確に安全性を測ることができます。

当座比率の計算方法

当座比率は、以下の算式で計算されます。

当座比率=当座資産÷流動負債

当座比率の概要について解説

流動比率が流動資産をベースに計算したのに対して、当座比率は当座資産をベースに計算します。
では、当座資産とは何なのかというと、流動資産の中で現金化しやすい資産のことです。
例えば、

  • 現金・預金
  • 受取手形
  • 売掛金
  • 有価証券

などです。

流動資産に含まれていた、

  • 売れなければ1円も入ってこない商品
  • 返済可能性が不明な役員貸付金

などを省くことによって、安全性指標としての精度は高くなっています。
在庫が多い業種などでは、当座比率を使うべきです。

何%くらいがいいのか?の目安

90%以上あれば安全、70%未満だと危険だといわれます。

流動比率・当座比率が低くても問題ない場合

流動比率150%、当座比率90%というのは、あくまで目安にすぎません。
業種や事業形態によって平均値も大きく異なるものです。

例えば、上場している電力会社や鉄道会社の流動比率は60%程度であることが多いですが、それでも安全に事業を継続していっています。
小売業や飲食業なども、流動比率が低くても問題ない業種です。
これらの業種には、日々安定してお金が入ってくる・貸倒が少ないという特徴があります。

流動資産・負債は、「1年以内」に現金化or支払をするものでしたよね。
これらの業種の流動資産は、1ヶ月程度のサイクルで入れ替わっているのに対し、流動負債は12ヶ月分が載っていますから、毎月の返済に無理は生じません。

例えば、毎月の手取りが30万円のサラリーマンが年間60万円の借金返済をしなければならない場合、流動比率は50%ですが、
30万円のうちから月々5万円を返済すると考えれば、即破綻するとは考えにくいですよね。

流動比率・当座比率を使って安全性を見るときには、

  • 同業他社との比較
  • 自社の過去の推移

をチェックし、

  • 営業キャッシュフローがプラスかどうか

を併せて確認してみてください。

まとめ

流動比率・当座比率を使って安全性分析をするときには、

  • 流動・固定の区分が正しいか
  • 流動資産の中に回収できないものはないか
  • 流動比率と当座比率のどちらを使うべきか
  • 業界の平均は?
  • 自社の過去の推移は?
  • 営業キャッシュフローはプラスになっているか

これらをチェックしてみてください。

 

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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