支払調書と帳簿(決算書・申告書)の売上・源泉の金額が合わない!どうする?




この時期によくある質問「支払調書と自分で計算した売上・源泉の金額が違うんだけど…」にお答えします。

自分の計算した金額で申告すればいい

結論からお伝えすると、

  • 自分で計算した金額と支払調書の金額がズレていても問題ない
  • 自分で計算した金額で申告すればいい

ということになります。

 

支払調書は確定申告に必要ないものなので、ズレていても気にしないようにしましょう。

支払調書と売上&源泉徴収税額がズレる理由

支払調書と自分の計上した金額がズレる理由は、次のようなものです。

前提:売上は仕事をした時に計上する

フリーランスの売上の請求は、月末締めで翌月入金というケースが多いと思います。

原則として売上は、仕事をした(請求をした)月に計上するものです。入金された月ではありません。

 

例えば、8月から12月まで次のような請求をした場合、

8月~12月発生の合計、110万円を売上として計上します。

 

入金された月に計上してしまうと、

12月の売上20万円が漏れてしまいます。12月の売上は1月末入金になるためです。

ズレる理由:支払調書が支払ベースで作成されている

前述のとおり、経理や申告をする場合、売上は請求した月に計上する必要があります。

しかし、支払調書は入金した月(取引先からすれば、支払った月)で作成されている場合があります。

 

先ほどの例でいうと、自分は請求ベースで売上110万円としていたのに、支払調書は12月分(1月入金)が抜けているので、90万円と記載されているわけです。

経理上正しいのは、請求ベースでの売上110万円なので、支払調書は気にせず110万円で申告すればいい、という結論になります。


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Q&A:支払調書とズレている場合の対応方法

支払調書って全部入金ベースなの?

請求ベースで記載されている支払調書もあれば、入金ベースの支払調書もあります。

会社によって作成基準が異なり(正しいのは請求ベースなのですが)、混在しているのが現状です。

 

好意で送ってきてくれている以上、文句を言うわけにもいかないでしょう。(取引先に交付する義務はないので…)


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全てが正しく作成されていれば支払調書の金額を丸写しして確定申告してもいいのかもしれませんが、間違ったものが混在している以上、自分で計算するしかないでしょう。

そもそもフリーランスとして仕事をする以上、売上や源泉税といった経理上の数字は他人任せにすべきではありません。

支払調書に数字を合わせなくていいの?

間違っているかもしれない支払調書に合わせる必要はなく、自分で計算した数字で自信をもって申告すればOKです。

逆に言うと、フリーランスは支払調書に頼らずに日々帳簿付けを行っていくべきです。

そうすれば数字に対する理解が深まり、確定申告が「面倒臭いだけの作業」から「仕事やお金の収支の見直しをするための貴重な時間」に変わります。

ズレていたら税務署から言われるのでは?

これも心配しなくていいかな、と。

計上基準がズレている場合があることは、税務署も織り込み済みのはずです。

 

支払調書は、税務署が「この人はきちんと確定申告をしているか」を確認するためのものです。

例えば次の様な支払調書があった場合、取引先(sample)は税務署にこの支払調書を送って、

これを見て税務署は「あぁ、入野拓実って人は今年sampleから54万円の収入を得たんだな」と把握するわけです。

そして僕が確定申告していない場合には、「所得隠しでは?」と疑われます。

 

こういったケースは問題になるでしょうが、請求ベースか入金ベースかのズレをいちいち突き合わせたりしているとは考えにくいです。

支払調書は確定申告書に添付する必要がありませんから、その場で何か言われることもありません。

(支払調書は、取引先が税務署に提出してくれています)

 

「支払調書の金額に合わせてください」「確定申告書に支払調書をつけてください」と言われるケースがあるようですが、本来必要ないものです。

気にせずに、堂々と自分の計算した数字だけで申告書を提出すればOKです。

支払調書と確定申告の関係、源泉徴収されている場合の仕訳・確定申告については、以下の記事も参考にして頂ければ。

参考記事:フリーランスが売上から源泉所得税を引かれる場合の仕訳例・確定申告書の書き方を解説

参考記事:確定申告に支払調書は必要ない。添付提出しない・送られてこない・アテにしない・いらない。


[編集後記]

昨日は、午前中に新規のクライアントとの契約などのもろもろの手続き。午後はフリーランスのクライアントと確定申告絡みの打ち合わせ。

最近、娘と湯船に漬かっていると「せっけんちょーだい」と必ず言われます。
シャボン玉といい、泡が好きなようで。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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