弥生?freee?マネーフォワードクラウド?個人事業主・一人会社にオススメの会計ソフトと選び方




税理士という仕事柄、独立起業したばかりの方からご相談を受けることが多いのですが、その中でよく受ける質問の1つに「会計ソフトはどれにすればいいですか?」というものがあります。

会計ソフトはどれを選んでもいいわけではなく、ソフトごとに特徴があり使い勝手が大きく異なります。

 

そこで今回は「迷ったらこれ選んどけばいいでしょ」と言える定番の会計ソフトと、その定番会計ソフトの特徴、選び方についてまとめてみました。

僕はどこかの会計ソフトに肩入れはしておりませんし、お金も貰っておりませんので、あくまで「ユーザー目線で使いやすいソフト」をオススメしていきます。

まず大前提として、「ケチりすぎないでほしい」「無料で済ませようとしないほうがいい」です。

ネットで検索すると無料で使える会計ソフトの情報が出てきたり、量販店のワゴンセールで古い会計ソフトが数千円で売られてたりすることもあるでしょう。

経費を抑えたい気持ちは痛いほど理解できますが、やはり「無料」「激安」のソフトは使い勝手が悪く、「お金」以上に大切な「時間」を浪費してしまいます。

加えて、サポートがなかったり、法律の改正に対するアップデートがされていなかったり、汎用性が低いためデータ連動や乗り換えが大変、といったリスクもあります。

 

同様に、手書きやExcelだけで乗り切るのも厳しいです。

効率的・効果的に経理を行うためには、会計ソフトへの投資は必須となります。

 

「会計ソフトって高そう…」という声が聞こえてきそうですが、最近はそれほど高くなくて優秀なソフトも増えてきています。

費用の目安として、個人事業主で月1,000~2,000円、中小零細法人で月2,000~4,000円程度でじゅうぶん使えるソフトがありますので、最低限の投資だと割り切りましょう。

この記事で紹介していくのも、そのくらいの価格帯のソフトです。

個人事業主・中小零細企業の選択肢は「弥生」「freee」「マネーフォワードクラウド」

現状、個人事業主と社長にオススメできる定番・無難な会計ソフトは、

  • 弥生会計(個人事業主は、やよいの青色申告)
  • freee
  • マネーフォワードクラウド(個人事業主は、マネーフォワードクラウド確定申告)

の3つです。

この3つのソフトが素晴らしい!完璧だ!というわけではないのですが、事業者が導入できる価格帯のほかのソフトが残念過ぎるので相対的に評価せざるを得ない感じです。消去法というか。


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かといって専門家向けのシステム入れるわけにもいきませんので、基本的にはこの3つのソフトから選ぶといいでしょう。

会計ソフト全般に言えることとして「操作性が悪すぎる」ソフトが多いのですが、その点においても上記3つのソフトは比較的まともです。
(いわゆるUI,UXが「90年代で止まってるのか??」と感じてしまうようなソフトが多いのです)

※昔ながらのソフトの画面例

 

何よりこの3つは定番のソフトですから、

  • 手に入れやすい
  • 対応できる税理士が多い
  • 情報が多い

といったメリットもあります。

値段も一般的なフリーランスが導入しやすい金額になっていますので、迷ったらこの3つの中から選んでみてください。僕自身、実務をこの3つのソフトだけでこなしています。

インストール型会計ソフトとクラウド会計ソフトの比較

この3つのソフトをざっくり分類すると、弥生=インストール型 freeeとマネーフォワード=クラウド型というふうに分けられます。

 

インストール型
従来型のソフトです。個人事業主や中小企業の会計税務に必要な機能がひととおり揃っており、レスポンスの速さが特徴です。

クラウド会計ソフト
比較的新しいソフトです。操作性の良さや、帳簿入力の自動化機能などが特徴です。

 

それぞれの特徴をざっくり表にしてみました。

クラウド会計ソフトインストール会計ソフト
デバイスWindows,Mac,スマホ、タブレットのどれでも利用できるWindowsPC
インストール不要必要
ネット環境必要不要
バージョンアップ無料(基本料金内で随時アップデート)年に1度、最新年度版を購入してアップデート
複数ユーザーでの利用freee:年23,760円のプランで3人まで可能

マネーフォワードクラウド:制限なし

原則、インストールするPCごとに1ライセンス購入
操作感・画面シンプル
簿記知識がなくてもわかりやすい
複雑
簿記知識がないとわかりにくい
経理の自動化銀行口座、クレジットカード、POSシステムなどの明細を取得→仕訳化クラウドと同様のことができるものの、使いにくい
料金[個人] freee:年11,760円~
マネーフォワードクラウド:年9,600円~
[法人] freee:年23,760円~
マネーフォワードクラウド:年35,760円~
[個人専用] やよいの青色申告:年12,000円~[個人・法人兼用] 弥生会計:年39,800円~
経費精算freee:別料金

マネーフォワードクラウド:料金内

給与計算freee:別料金

マネーフォワードクラウド:5名まで料金内

請求書発行freee:料金内

マネーフォワードクラウド:料金内

確定申告対応対応
法人税申告未対応未対応
消費税申告freee:上位プランのみ対応

マネーフォワードクラウド:未対応

対応
読み込み時間操作ごとに読み込み時間が生ずる
経理経験・簿記知識の有無ゼロでもなんとなく進めていける必要
業種・規模業種を選ぶ
大規模だと厳しい
問わない
修正業務・チェック業務とてもやりにくいやりやすい

以下、それぞれのメリット・デメリットについて重要な部分を中心に解説していきます。

以下、この記事ではインストール型=弥生会計、クラウド型=freee,マネーフォワードクラウドのことを指します。

なお、弥生会計は「弥生オンライン」「やよいの青色申告オンライン」というクラウド型会計ソフトを出していますが、それらはオススメしていない(理由は後述)のでこの記事では除外しています。

クラウド型(freee、マネーフォワード)のメリット・デメリット

クラウド会計ソフトのメリット・デメリットについて解説します。

クラウド会計ソフトのメリット

経理の自動化機能

クラウド会計ソフトの最大の特徴は、「経理の自動化機能」です。

銀行口座、Amazon、クレジットカードなどの取引明細を取り込み→自動で仕訳化することができ、入力の手間を減らすことができます。

実際のfreeeの画面を例に解説してみます。

例えばモバイルSuicaをfreeeに連動すると、

freeeはモバイルSuicaから「日付」「支払った金額」「乗降駅」を自動的に取り込んでくれます。そしてその内容からAIが「旅費交通費」という勘定科目を推測してくれるのです。

「電車代 JR」という明細も自動的に入るように設定していますから、ひととおり確認をして「登録」ボタンをクリックするだけです。

従来であれば、Suicaの明細なり券売機で発行した領収書なりを見ながら、「日付」「金額」「旅費交通費」「電車代」「乗降駅」「電車代 JR」というのをひとつひとつ手入力する必要があります

 

銀行、クレジットカード、交通マネーはもちろん、クラウド会計ソフト側が提供している給与計算システムや請求書発行システムとも連動すれば、仕訳の大部分を自動化することもできるでしょう。

自動化できる部分、手動でやらざるを得ない部分は次の通りです。

レシートをスマホで写真を撮ってアップロードすれば仕訳に変換してくれる機能なども(精度はまだまだですが…)。

クラウド会計ソフトはクセがあり扱いが難しい部分はあるものの、上手く使えば効率化に繋がりますし、経理初心者でも感覚的に処理していくことが可能なのです。

 

UI・UXのよさ(操作性の良さ・画面のわかりやすさ)

次に、「操作性の良さ・画面のわかりやすさ」もクラウド会計ソフトの特徴と言えます。

先ほどの昔ながらのソフトの画面をもう一度見てみます。

引用元:PCA建設業会計公式サイト

弥生会計はさすがにここまでひどくありませんが、やはり多少の専用ソフト感は出ています。

取引の種類ごとに帳簿を選択する必要があったり、ある程度の知識がないと操作や入力が難しい印象です。

 

対して、クラウド会計ソフト(画像はマネーフォワードクラウド)の入力画面はこちら。

メニューバーなどの工夫で「どこをクリックすればどうなるのか」がわかりやすい設計になっています。専門用語だらけではなく[登録][詳細]といった一般的な言葉をちりばめているのも好印象です。

画面上の解説も充実しているので迷いが減りますし、感覚的に作業を進めていくことができます。(画像はfreee)

確定申告についても、質問に回答したり流れに沿って入力していくことで、申告書の作成まで行うことができます。
(ここの「養っている配偶者」という表現にはモヤモヤする部分がありますが)

 

その他のメリットでは、僕がクライアントに聞いたところ、

  • OS,端末を選ばない
  • 複数ユーザーで使える
  • 常に最新版が使える

などが特に喜ばれている印象です。

こういう細かい使い勝手の良さについては、従来型のソフトよりユーザー目線に近い印象があります。
(従来型のソフトには、独自仕様やオプション料金など、面倒臭い仕様もあります)

デメリット

とはいえ、次のようなデメリットがあるのも事実です。

レスポンスが遅い

クラウド会計ソフトの最大のデメリットは、「レスポンスの遅さ」です。

 

クラウドの宿命ではあるのですが、ネットを介しているため、1つ処理をするたびに読み込み時間が発生します。

経理業務が複雑であれば工数や画面を切り替える場面も増えるため、ストレスです。
(ただこれは僕が従来型のソフトを知っているから抱く印象かもしれません)

修正やチェックがしにくい

次に、修正やチェックがしにくいというデメリットも。

 

クラウド会計ソフトの設計思想としての「とにかくわかりやすく」「自動化に特化」を突き詰めるあまり、「間違った時の修正作業」や「チェック作業」が犠牲になっている印象です。
(徐々に改善されつつはありますが)

置換機能や検索機能などの使い勝手はもう少しなんとかしてほしい…と日々願っています。

手入力がしにくい

クラウド会計ソフトは「自動化」に特化しているため、「手入力」を前提とした設計にはなっていません。

大量のレシートを手入力するのであれば、インストール型の会計ソフトのほうが圧倒的に効率的です。


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向いていない業種、規模もある

スモールビジネスに絶大な効果を発揮するクラウド会計ソフトですが、業種、規模、形態によっては、かえって非効率になってしまいます。

現金取引が多かったり、複雑な会計処理が求められる業種などがそうです。

 

個人的には、不動産、建設、製造あたりはなかなかしんどいイメージがあったのですが、やはり税理士仲間も同じようなイメージを持っているようです。また、規模が大きくなれば大きくなるほど厳しくなります。

特にfreeeはこの傾向が顕著です。これらの業種がクラウドにこだわるのであれば、マネーフォワードクラウドのほうがマシかなと。

インストール型(弥生)のメリット・デメリット

インストール型の会計ソフトにも、クラウド会計ソフトにはないメリットがあります。

メリット

手入力がしやすい

大量のレシートや預金明細などを手入力する場合には、明らかにインストール型の会計ソフトのほうがはやく入力できます。

レスポンスも速いですし。

業種や規模は問わない

標準的な機能は全て揃っていますので、業種や規模を問わず対応できます。

修正作業、複雑な会計業務はインストール型の会計ソフトに軍配が上がります。

デメリット

自動化がしにくい

弥生会計にも「スマート取引取込」という、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込む機能はあります。

ですが、クラウド会計ソフトの取込機能に比べると、かなり使い勝手が悪いのが現状です…。

  • ソフト内で完結しない(外部ツールが必要)
  • 対応している金融機関・サービスが少ない(Amazon,Paypal,Baseなど非対応)

などの問題があるのです。

毎年買い替えが必須

インストール型の弥生会計を購入された人の中には、「1回買えばずっと使えるから、月額課金のクラウド会計ソフトよりトクじゃん!」という考えの方もいらっしゃいます。

気持ちは痛いほど理解できるのですが、、、現実的には弥生会計も「毎年、最新年度版への買い替えは必須」だと思っておいた方がいいでしょう。

 

消費税の税率変更などの法令改正に対応できなくなるためです。

かなり昔の弥生会計を使い続けている方もいらっしゃる気がしますが、個人的には「うーん…」という感じです。

弥生・freee・マネーフォワードクラウド、どれを選ぶ??

さて、いい加減結論を書きます。

僕自身がクライアントから会計ソフトについて相談された時は、業種、規模、会計知識の度合い、方向性etc、様々な要素を聞き取りしてトータルで判断します。

この記事では個別判断はできませんので「ざっくりした目安」をお伝えして、皆様に判断して頂けたらと思います。

 

どのソフトも一長一短ではあるのですが、僕はざっくり次のように考えています。

弥生会計
freee
マネーフォワードクラウド
簿記知識ゼロ
経理経験ゼロ
×
自動化のしやすさ
×
手入力のしやすさ
×
修正・チェックのしやすさ
×
業種・規模
問わない
フリーランス・小規模法人向き
業種を選ぶ
freeeよりは幅広く対応しやすい
ある程度のPCスキル
不要
必要
必要

インストール型を選ぶ?クラウド型を選ぶ?

まず、インストール型を選ぶか、クラウド型を選ぶかの問題ですが、

  • 経理専門スタッフがいるorご自分に簿記や経理の知識がある場合
  • 手入力せざるを得ないもの(現金払いのレシート等)がめちゃくちゃ多い場合
  • 建設業、製造業、不動産業など、経理内容が複雑な業種の場合

は、まずはインストール型の弥生会計を。それ以外の方は、まずはクラウドを検討してみるといいでしょう。

freeeにする?マネーフォワードクラウドにする?

「わかったクラウドにする。でもfreeeとマネーフォワードクラウドどっちにしよう」という問題が次に出てきます。

違いをざっくりまとめると、次のような感じです。

freeeマネーフォワードクラウド
料金(個人)スターター:年11,760円

スタンダード:年23,760円

プレミアム:年39,800円

パーソナルミニ:年9,600円

パーソナル:月11,760円

パーソナルプラス:年35,760円

料金(法人)ミニマム:年23,760円

ベーシック:月47,760円

プロフェッショナル:年477,600円

スモールビジネス:年35,760円

ビジネス:月59,760円

請求書発行機能有り有り
給与計算システム別料金含まれる
勤怠管理システム別料金含まれる
経費精算システム別料金含まれる
サポートメール・チャットメール・チャット

個人向けは、マネーフォワードの「パーソナルミニ」が最安値。多少の機能制限はありますが、ひとりで確定申告する分には問題ありません(パーソナルミニは2020/6/2~の提供です)。

法人向けは、マネーフォワードクラウドのほうがfreeeより一回り高いのですが、そのぶん給与計算ソフトなどがパッケージになっています。

簿記知識・従業員の有無がポイント

個人的な意見は、

  • 簿記知識ゼロ→freeeをオススメ
  • 簿記知識ちょっとある→マネーフォワードクラウドをオススメ
  • 人を雇わず仕事している→freeeをオススメ
  • 従業員を雇っている→マネーフォワードクラウドをオススメ

という感じです。

 

簿記知識がない方へのアプローチはfreeeが一歩上です。マネーフォワードクラウドは従来型のソフトを踏襲している印象ですので。

ただ、マネーフォワードクラウドは給与計算ソフト・勤怠管理ソフトもパッケージになっているのが嬉しいところ。

まずは体験版を使ってみよう

どちらのソフトにも無料版がありますので、まずは2つとも触ってみて、しっくりくるほうを選べばいいでしょう。

 

ちなみに「決め手がないから入野さんに決めてほしい」と言われた場合には、僕はマネーフォワードクラウドにさせていただくことが多いです。

  • 良くも悪くも会計の枠から外れているfreee
  • より会計らしいマネーフォワードクラウド

という特徴を考えると、より数字に対する理解が深まるのがマネーフォワードクラウドだと思えるからです。
(給与などの関連業務もケアできる、個人的にチェックや修正がfreeeよりはしやすい、といったことも理由です。これは税理士によって好みが分かれる部分ですが)

 

特徴やメリット・デメリットを踏まえて、トータルで判断して頂ければと思います。

freeeを無料で試すにはコチラから

 

マネーフォワードクラウドを無料で試すにはコチラから

余談:弥生オンライン、やよいの青色申告オンラインをオススメしていない理由

弥生会計は法人向けに「弥生オンライン」、個人事業主向けに「やよいの青色申告オンライン」というクラウド会計サービスを提供しています。

ですが個人的には、弥生オンライン、やよいの青色申告オンラインはオススメしていません。

 

理由としては、

  • 画面がわかりにくい
  • 連携サービスが少ない
  • 取得エラーが多い(freee、マネーフォワードと比較して。個人的な感覚ですが)

という、クラウド会計ソフトとしての良さが全くない、「クラウドで使える」というだけのソフトだからです。

 

クラウド会計ソフトの良さは、シンプルな操作性と連携による自動化であるにもかかわらず、操作性が悪く連携機能が弱いのです。

取込設定画面で別のページに飛ばされるなど1つの処理にかかる工数が多いですし、画面もfreeeやマネーフォワードと比較するとわかりやすいとはいいがたい印象です。

 

(実際の画面です。家庭用の通帳を連携してみました)

連携サービス数も少ない(paypal,base,Amazon等が連携できない)ですし、よくわからない取得エラーも多く、「クラウドでわざわざ弥生を選ぶ理由がない」という意見です。現状、freeeやマネーフォワードより良い部分が見当たりませんので。

(インストール版の弥生会計は良いソフトです)

まとめ

まとめとして、ざっくりとしたフローチャートを作ってみました。(雑すぎて本当に目安になるのか微妙すぎる)

 

クラウド会計はクセが強く難しい面も多い(税理士的には)のですが、うまく使うことができればとてもいいソフトですし、クライアントからは評判がいいものです。

インストール型のソフトも、ある程度の事業規模であったり業種によってはクラウド会計ソフトより効率的です。

 

個人的には「freeeやマネーフォワードの方向性や値上げのやり方がどうなのか」など、思うところも色々あるのですが、まぁそれはユーザーにとっての使いやすさとは別の話です。

この記事が少しでも会計ソフト選びの参考になれば幸いです。

余談①:クラウド会計ソフトは簿記の知識がなくても自分で申告できるソフト?

クラウド会計ソフトの特徴として「簿記の知識がなくてもなんとなく進めていける」ということを何度か書きました。

(実際にfreeeは「簿記の知識がなくても確定申告できる」と謳っていた時期もあります)

 

ただ僕自身の感覚としては、「簿記の知識がなくてもなんとなく進めていけてしまう」からこそ危険です。

 

例えば、1枚のレシートをクラウド会計ソフトに取り込んだときを考えてみます。

レシートは「自動仕訳ルール」というルールブックに則って処理されます。ルールに載っていない部分は、AIがある程度自動的に判断します。

このルールブックは、自分で作っていく必要があるものです。AIの判断も、100%正確なわけではありませんので、やはり自分で修正していく必要は出てきます。

つまり、ルールブックの作成やAIの判断のチェックには、「簿記の知識が必要」ということです。

 

ルールブックが間違っていれば、当然会計処理も申告書も間違ったものになってしまいます。

 

「クラウド会計ソフトで自分で経理しています」という方に帳簿や申告書のレビューを依頼される機会もあるのですが、そういった方の多くがこの「ルールブックの作成」や「AI判断のチェック」がうまくできておらず、会計データがぐちゃぐちゃになってしまっているケースが多いのです。

(これから数年、クラウド会計ソフト特有のミスについて、税務署側も厳しくみるようになるんじゃないかなと個人的には思っています)

 

クラウド会計ソフトを活かすにはルール設定や業務フローの効率化がキモです。

「簿記を1から勉強すべき」とは思いませんが、導入設定やルール設定や帳簿のレビューなどは、一度プロにチェックしてもらうことをオススメします。

クラウド会計ソフトは本当に簿記・経理の知識が不要なのか。freeeの事例。

余談②:クラウド会計ソフトだと税理士が対応してくれない?

クラウド会計ソフトを毛嫌いする税理士、そもそも対応していない税理士も多いようです。

(クライアントから「freee使っているといったらボロクソ言われた」なんて話を聞いたこともあります)

 

理由は「簿記会計の知識があると、かえって使いにくい」からだと思われます。

僕自身も多少感じていることですし、経理部員の方で避けている方も。。

 

とはいえ「使いにくいから、使わない」「クラウドは対応しない」というのは、クライアント目線が足りないのでは?と個人的には思っています。

プロにとって使いにくくても、一般の事業者さんにとっては使いやすい。

だからこそこれだけシェアが増えてきているのですから、それに対応していくのも仕事です。

 

癖があるソフトなのは事実で、クラウドをボロクソいう税理士もいますが、積極的に活用している税理士もたくさんいますので、気にしないで使っていただけたら。

僕自身、会社の方針、建前の多さ、営業マンのチャラさや適当さなどにイラっとさせられることは多いのですが…。

クラウド会計ソフトは使いやすいのか・使いにくいのか|税理士と納税者の温度差について

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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※当ブログの記事は、投稿日現在の法律に基づいて書いております。 改正や個別的なケースには対応していない場合もありますので、ご注意ください。



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