会計データ(帳簿)の見方・読み方・チェックのコツ|総勘定元帳・仕訳帳




帳簿の読み方、チェック方法についてまとめてみます。

「会計データを読む」ということ

仕事柄、会計データ(帳簿のことです)を読むことも多いです。
会計データから、

  • 月次のチェック
  • 決算のチェック
  • 様々な分析

などを行います。
今日もこの後、クライアントのデータをチェックします。

 

ふと思ったのは、「決算書を読む」とは言うけど、「会計データを読む」というのはあまり聞かないな、ということです。

 

「こんなものを見て何かわかるんだろうか」と思われていることもある気がするのですが、
会計データは、「会社のすべての取引が記録されているもの」です。

つまり会計データを読み込んでいけば、「会社が何をやっているか」「どんな会社か」「どんな状況か」ということがざっくり理解できます。

会計データでざっくり理解してから、クライアントとお話→細部まで詰めていく、というスタイルです。

 

会計(簿記)は、「会社の取引を記録するための言語」です。
なので慣れている方は、文章を読むような感覚で会計データを見ています。

帳簿の種類と仕組み

会計データの代表的なものとして、

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳

の2つがあります。
どの会計ソフトにも標準装備されているものですので、違いを比べてみてください。

会計ソフトに入力されたデータは、全てこの2つに自動集計されます。

 

仕訳帳は、日付順にすべてのデータが並んだもの。

総勘定元帳は、勘定科目別にデータが並んだものです。
B/S科目→P/L科目の順に並んでいます。

見方・読み方・チェックのコツ

ざっくりと自分がやっている見方やチェックの方法をまとめてみます。

総勘定元帳を頭から一巡してみる

始めて関与する会社の場合や、決算のチェックの場合、
総勘定元帳を最初から最後までざっくり見ていきます。


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途中で「?」となるところが出てきても、悩まずに最後まで読みます。
最後まで読めば、科目同士のつながりが見えてきて、点と点が繋がることも多いからです。

最後まで読んでも解決しなかった部分は、メモを残しておき、じっくり考えます。
2回転すれば、だいたい会社の全体像が頭に入るはずです。

相手勘定科目を意識する

総勘定元帳を読む際には、相手勘定科目をざっくりと見ています。

例えば、飲食店の場合、総勘定元帳で「現金」という科目を見ていくと、相手勘定科目には、

  • 売上
  • 仕入
  • 消耗品費
  • 会議費
  • 普通預金
  • 事業主貸
  • 前受金
  • 売掛金・未収金

など、様々な科目が載っています。

相手勘定を見ていくことで、現金の増減原因や取引の流れをつかむことができるわけです。

「諸口」が出てきたら、仕訳帳で確認

総勘定元帳を見ていると、相手勘定科目が「諸口」となっていることがあります。

相手勘定科目が複数の場合、「諸口」とまとめられてしまうのです。
「複合仕訳」と呼んだりします。
複合仕訳の場合、総勘定元帳では取引の詳細はわかりません。

その場合、仕訳帳を確認します。
仕訳帳であれば、複合仕訳でも詳細に表示されていますので。

 

残高がマイナスになっていないか

「勘定科目の残高がマイナス」というのは、原則的にはあり得ないことです。
(現金、預金あたりは特に)

一時的にでもマイナスになってしまっているということは、
入力に何かしらのミスがあるか、ダブって入力してしまっているか、のどちらかでしょう。

残高がマイナスになっていないかはチェックしておく必要があります。

 

科目・金額の重要性を意識する

「ここはじっくりチェック」「ここはざっくりでOK」というように強弱をつけています。

基準となるのは、以下の2点。

  • 重要な勘定科目かどうか
  • 金額が大きいかどうか

いくつか例を提示してみます。


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じっくりチェック

  • 売上
  • 仕入・原価(特に売上との対応関係を意識)
  • 棚卸資産(特に仕掛品や未成工事など)
  • 固定資産の取得・売却
  • 金額のメリハリ(規模によりますが、例えば、100万円以上はしっかり、それ未満はざっくり、など)

 

ざっくりチェック

  • 20万円未満の修繕費
  • 10万円未満の消耗品費
  • 30万円未満の固定資産

 

消費税区分をチェック

消費税区分は直接的に納税額にかかわる部分ですから、しっかりチェックすべきです。
(課税・非課税・不課税。2019年10月以後は8%,10%の区分も)

特に、

  • 通信費
  • 交際費
  • 賃借料・リース料
  • 地代家賃
  • 固定資産売却関係

あたりの勘定科目に間違いが多いかなと。

 

印刷せずに、画面上で確認

会計ソフトを使っているのであれば、紙ではなく画面上で確認したほうが手っ取り早いです。

チェックしたい期間の試算表を開く→勘定科目を順番にクリックして該当科目の総勘定元帳を開く

という手順がオススメです。

総勘定元帳をPDFで確認という方法もありますが、僕はあまり好きではありません。

その他、帳簿にまつわるアレコレ

何か書いてたら色々思い出したので余談をいくつか。

デキる税務調査官は、帳簿なんて見ない?

「デキる税務調査官は、帳簿を見ずに社長の目を見る」なんて良く言われます。
逆に、帳簿だけを見ている調査官はまだまだだ、とも。

確かにそういう傾向は感じます。

帳簿をチラ見しただけで様々なことを理解して話す調査官にあたると、
「さすがだなぁ」と思ってしまいます。

装丁をやらされた話

勤めていた頃、総勘定元帳の装丁をやらされたことがあります。

総勘定元帳を印刷して、↓こんなファイルに綴じていき、

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テプラで会社名のラベル作って貼って、ゴム印で会計期間を押していき…
という作業です。
「インデックス付けてね」なんて言われることも。

大きいクライアントの場合、10㎝くらいあるファイルを何十冊も作って宅急便で送るのですが、
不器用な僕はこれにめちゃくちゃ苦戦し、しかもゴム印が曲がりまくりで…。
めちゃくちゃ嫌味を言われた覚えがあります。

(俺にこんなことやらせんな)と思ってましたが。


[編集後記]

昨日はゆるめに仕事。
クライアントの税務手続き周りを中心に。

娘の夏休みが終わり、幼稚園が始まりました。
めちゃくちゃ楽しみにしていたようで、機嫌が良かったです。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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