常識を疑えよりも慣習を疑え。自分の身の回りの「当たり前」を疑う。




先日、法人登記手続のために法務局に行った時のこと。
ベテランっぽい職員の方が、若めの訪問者の方にタメ口で対応していました。一方の訪問者の方は丁寧語です。

職員と訪問者という関係上、二人は対等なはずですから、お互い丁寧語で話すべきでは?と。
(年齢だけ見たら職員の方が上なのは確かですが、そもそも年齢が上=タメ口ってのも僕にはよくわかりません)

税務署職員と納税者とのやり取りや、税理士と相談者のやり取りでも似たようなことがあります。
「あーこういうのどこにでもあるんだな」と、ちょっとげんなりしたと同時に、「わけわからん慣習・慣例が常識より優先される場合って多いよなあ」と、考えさせられました。

“常識”と”慣習”の違い

常識と慣習。似ているようで、結構違います。

「常識」でググると、

じょうしき
常識
  1. 健全な一般人が共通に持っている、または持つべき、普通の知識や思慮分別。

     「―的」

とあります。

  • 挨拶をする
  • 丁寧語で話す
  • 時間を守る
  • 法を守る
  • 相手の気持ちを考える

といった、小さい頃に両親から教わることだったり、道徳の授業で習うようなことです。

一方、「慣習」でググると、

かんしゅう
慣習
  1. ある社会で歴史的に成立・発達し、一般に認められている、伝統的な行動様式。ある社会一般に通ずるならわし。

     「―に従う」

と出てきます。

なるほど、常識は「一般人が共通に持っているべき」なのに対し、慣習は「ある社会で」「歴史的に発達」とあるように、もう少し限定された集団が持つ共通認識のような感じがします。

疑うのは”一般常識”ではなく”その業界の慣習”や”当たり前”

慣習には、意味があるものや理にかなっているものも多いでしょう。
しかし、さらに限定的な「ウチの業界での慣習」となると、何となく続いてきてしまって現代社会にそぐわないものや、一般常識と照らし合わせるとおかしいことも多いものです。

僕が身を置いている税理士業界でいうと、

 

  • 相談者にタメ口・偉そう → 確定申告の無料相談とかで多い
  • 「税務署はそんなこと何も言わないから問題ない」 → 「実際に罰金取られたことないから歩きたばこしても良い」と同レベル…
  • 在職証明書を出さない → 税理士として登録するのに必要な証明書を出さない嫌がらせをする事務所がある
  • ブラック事務所多すぎ → そりゃ人手不足になるでしょ
  • 税務署職員の対応の暗さ → 電話で話してるとこっちまでテンション下がる
  • 税務調査での意味不明な指摘 → 課税できれば何でもアリかい

などなど。

一般企業であれば、タメ口とか対応の暗さとかは大問題になるでしょうし、証明書出さないやらブラック事務所の問題も訴訟沙汰になっているでしょう。


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要は、「業界の慣習」っていうのは、「身内ノリ」であり「甘え」なんですよね。
なかなか外に出ない情報だから、なぁなぁで済まされてきちゃってきてるという面もあるのかな、と感じます。


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でも、それって今の時代は通用しないんですよ。ネットの普及と社会の成熟によって、「今まで大丈夫だった」「どこでもやってるし」「うちの業界では当たり前」なんてことが、明日には崩れる可能性があります。

最近のニュースでいうと、

  • 体育会系の暴力沙汰
  • 金融機関の不正融資
  • 建設会社の談合
  • ミュージシャンと薬物

などの問題は、「その業界での当たり前」が世間一般では通用しない、というものばかりです。
「これくらいなら大丈夫」「ウチでは普通」という経験則が、大きな問題に繋がってしまうわけです。

中小企業での例を出すと、

  • サービス残業
  • 有給取得率の低さ
  • パワハラ

などでしょう。

DVとかモラハラも、「家庭」「職場」という限定された社会での慣習であり、甘えです。
子供でも知っている「暴力はダメ」「言葉で傷つけちゃダメ」という”一般常識”が、”その業界の慣習”で塗り替えられてしまっている良い例だと思います。

「社内ルール」や「自分ルール」が、法や道徳を超えてしまっているのです。

慣習を疑い、常識に立ち返ることで、自分のスタイルを作る

業界の慣習というのは、

  • このくらいなら大丈夫
  • みんなやってるし
  • 今までもこうやってきたし
  • 忖度

など、間違っていると言い出せない空気によって守られ、いつの間にかそれが当たり前になってしまうものなんでしょう。

それに染まらないためには、常に自分の身の回りの空気や、自分自身を疑ってみる必要があります。
大企業や芸能人と違って、多少悪いことをしてもニュースにならないからこそ、自分で襟を正すべきです。

自分の中の「当たり前」「大丈夫」「普通」「今まで」といったものを、一般常識と照らし合わせてみて、「なぜ?」と考えてみましょう。

ここでいう一般常識の基準となるものは、法律だったり、倫理だったり、人としてだったり、です。
ここまで根本に立ち返るのは、「単なる慣習」を「一般常識」と思い込んでしまっている場合も多いからです。
法的にアウトだったり倫理的に間違っている慣習や、意味のない慣習からは離れる努力をすべきですし、流されなかったことで自分のスタイルが作られます。

その結果少数派になると、同業者からの風当たりが強いですが、行動せずに文句だけ言っている人は放っておきましょう。

業界の慣習。一度染まってしまうと、なかなか抜け出せません。常に疑い続け、基本に立ち返って考えるクセを付けるべきです。

僕も、税理士業界のわけわからん慣習だとか、よーわからん社会の風潮とか、子育てに関するアレコレに疑問を持っていますし、一矢報いたいと思っています。
皆さんも僕と一緒に日々考えて、自分のスタイルを作り上げていきましょう。


[編集後記]

空き時間でセミナーネタを考えています。
まだマインドマップで構想を練っている段階ですが。今月中に形にしようかと。

土曜日に、妻と二人でお出かけしました。娘が生まれてからは一切していなかったので、3年ぶりくらいでしょうか…。
二人で歩くペースを忘れていて、普段通り歩いたらちょっとはやかったみたいで。
「人に合わせるってこと知らないよね、だから友達いないんだよ」と。めっちゃ笑いました。

父の日ってことでケーキを買ってもらいましたが、祝われる側になったことについては何とも言えない気持ちに。
でも、美味しかったです。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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