フリーランス(個人事業主)や一人会社に税理士との顧問契約は必要か不要か




一人会社やフリーランスが税理士に依頼する必要があるのか、考えてみました。

決算・申告だけなら自分でできる時代

クラウド会計ソフトの登場などで、経理や申告に対するハードルが下がった現代。

税理士に依頼せずに自分でできるなら、それにこしたことはありません。

税理士に依頼すれば、年間数十万円の費用が掛かります。自分でやれば、ゼロです(その分時間や勉強代がかかりますが)。

特に20代~40代くらいまでの方は勉強熱心な方が多く、自分で申告している方が多いです。
(だからこそ、僕たち税理士も色んな意味で必死になります)

特に、フリーランスの方の場合、自分で申告される方がかなり増えてきているように思います。

スポットの相談で、自分で申告している方の申告書を見せていただく機会も多いのですが、皆さんしっかりできています。

皆さん、調べたり、本を読んだりして勉強しているようです。

経理、節税の基礎知識の導入としては、この本。

確定申告書の書き方に焦点を絞った、実践的な本もあります。
申告するだけなら、こういった本を読んでおけばなんとかなります。

 

ただ、法人になってくると、フリーランス時代よりはハードルが上がります。


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  • 個人・会社でしっかりお金を分ける必要がでてくる
  • 日々の事務手続きが増える
  • 申告書の書き方が難しくなる
  • 給与計算・社会保険の手続き・年末調整が必要(自分ひとりであっても)

などが理由です。


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ただまぁ、無理ではありません。

「税理士いらず」という(その名の通り)ラクに使える申告ソフトもありますし、日々の経理から申告書の書き方まで解説されているこういった本もあります。

実際に、自社で申告をしている法人もいくつか知っています。

税理士に何を求めるか?無駄な顧問料を払っていないか?

税理士とクライアントは、いわゆる「顧問」という形で継続的に付き合うのが従来のスタイルです。

顧問料は毎月、決算料は年に1度支払っていただき、定期的に打ち合わせを行い、決算と申告は税理士が行います。

ですが僕は、クライアントが税理士に何を求めているか?によって、付き合い方が違って良いと思っています。

例えば、経理や申告が自分で出来る方にとっては、顧問は不要かもしれません。
「顧問契約が前提っぽいから、相談しにくい」と思われているかもしれません。

自分で経理や申告ができるのであれば、そこに対して料金を払いたくないでしょう。

しかし「自分でできる」とはいえ、不安なこと、調べてもわからないこと、専門家の意見を聞きたいことなどは出てくるかもしれません。

僕は、そういった顧問以外のニーズもあると感じ、それに応えたいので、スポットでの依頼も受けています。

 

次に、「細かいアドバイスはいらない」「申告だけしてくれ」という場合もあるでしょう。

規模が小さめで、かつそんなに利益も出ていない場合、月次・節税・資金繰りのような顧問サービスは必要ない場合も多いでしょう。

この場合も、決算と申告だけしてもらえばよく、毎月顧問してもらう必要はないかもしれません。

 

ちょっと話はズレますが、先日顧問契約をしていただいた法人は、今までずっと社長ご自身が申告していました。

「なぜ顧問税理士の必要性を感じたのですか?」と伺うと、「規模が大きくなり、財務・税務面の不安が出てきた。限界を感じた」と。

そういう感じで、「大きくなって限界を感じたら税理士に依頼する」というのもアリでしょうね。

自分が税理士に求めていることと税理士が提供していること。両者がマッチする付き合い方が理想ですし、模索する価値はあります。

フリーランス・一人社長の税理士との付き合い方

税理士との付き合い方をいくつか挙げてみます。
自分が求めている付き合い方に対応してくれる税理士を探してみましょう。

いずれにせよ、相談できる顔見知りの税理士を作っておくのは良いでしょうね。

決算だけ頼む

「毎月の顧問は不要だけど申告は依頼したい」という方は、決算だけ税理士に依頼するといいでしょう。

年に1度領収書類をドバーっと渡す丸投げスタイルもアリですし、記帳は自分でやったから申告書だけ依頼、というスタイルもアリです。

顧問だけ頼む

逆に、顧問だけ頼むというのもアリでしょうね。

日々の記帳も申告も自分で行います。

税理士は定期的に打ち合わせを行い、チェックや税務的なアドバイスや相談対応などをするスタイルです。

スポットで頼む

記帳も申告も自分でできる。

けど不安なことがでてきた。わからないところだけ相談したい。

という方は、スポットの依頼に対応している税理士を探すと良いでしょう。

大きくなったら頼む

自分で出来るうちは自分でやって、難しくなったら依頼するというのもありでしょうね。

難しくなる目安としては、

  • 売上が1,000万円を超えたら(消費税を払うライン)
  • 従業員を雇ったら(年末調整などのライン)
  • 売上が5,000万円を超えたら(規模的に税務が難しくなる、消費税の計算が面倒になるライン)

あたりが目安になります。


[編集後記]

先週金曜日と昨日は決算を中心に。

土日はネカフェに行ったり、家族で牧場に行ったり。
娘が楽しんでくれたようで良かったです。よっぽど疲れたのか、夜は即落ちでした。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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