【税理士試験】酒税法受験はやめとこう

酒税法,受験者数




税理士試験で最もマイナーで、受験者数も少ない科目、酒税法。
僕は2回酒税法を受験し、1回目はA判定、2回目で合格しました。

この科目選択に関しては、正直後悔もあります。
割とレアな酒税法合格者として、素直な感想を書きます。

とにかく勉強がつまらない

計算でも理論でも、実務で使えないってわかりつつ割り切って勉強するためか、あまり興味を持てませんでした。

計算では、税額計算前に「酒類の判定」ってのをやります。
原材料や製造過程などの資料があって、それを読み取って「~を使用し、~であり、アルコール分が~で、~。∴ビールに該当する」みたいな解答を書くわけです。
これがほんんんんんんっとーーーーーーーーーにつまらない。
年末調整や給与支払報告書よりつまらない。

理論もハッキリ言って自分から興味もって掘り下げたりはできませんでした。
なので本当に解説部分含めて丸暗記しただけって感じの勉強でした。

言うほどボリューム少なくない

ボリュームが最も少ない科目としても有名ですが、実際の負担感は言うほど軽くなかったです。

とにかく理論が覚えにくい

理論の題数は、大原ベースだと18題。
これは法人税法の約5分の1、相続税法の3分の1程度です。
他のミニ税法と呼ばれる科目と比べても、確かに少ないでしょう。

ですが、覚えにくさがハンパじゃありません。
税法科目の中で、相続税法の理論は覚えにくいほうだ、と言われます。
酒税法の理論の覚えにくさは相続税法の比ではないです。

理サブ以外も丸暗記しなきゃいけないものが多い

立法趣旨がよく問われるため、理サブには載っておらず理論テキストにのみ載っている立法趣旨の暗記が必須です。
条文ではないため一字一句である必要はないですが、これが中々キツイ。

加えて「余裕がある方は計算テキストに載っている災害減免法、国税通則法なども暗記しておいたほうがいいです」みたいなことを言われます。
言われたら暗記せざるを得ません。

応用理論もほぼ丸暗記に近い形で仕上げます。
過去問をバージョンアップした理論がよく出題されるため、過去問とその解答も全て頭に入れます。

※理サブ=TACでいう理論マスター

計算を仕上げるのは確かに他の税法より楽ですが、理論は舐めてたらエライ目に合います。。。

ミニ税は合格しにくい

「ミニ税は努力が報われにくい」とよく言われますし、僕もそう思います。
僕なりの理由を書いてみます。

「合格レベルに達しやすい」と「合格しやすい」は別

酒税法,受験者数

ご存知の通り税理士試験は相対試験で、上位1割前後が合格します。


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上の画像の通り、酒税法の受験者数は毎年1000人前後。
選択相手である消費税法の約10分の1です。
一時期は800人を切っていたようです。

合格率が10%ジャストと仮定して、
1000人のうちの上位100人と、1万人のうちの上位1000人。
どちらが「実力通りに紛れなく安定して」上位に入れるでしょうか。
10人のうちの1人と1000人のうちの100人と考えてもいいかもしれません。


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そしてただでさえ分母が少ない上に、ボリュームの少なさゆえにほとんどの方が「合格可能レベル」までは持ってきます。
僕自身も合格レベルまでもっていくのは確かにほかの税法より楽でした。
ですが、そこから頭1つ抜き出るのは至難の業です。
本番では、合格可能レベルの人がほとんどの中で、ケアレスミスや運(下記参照)で合否が決まります。

1ミスでアウト、と言われるゆえんです。

運の要素が強い

酒税法は理論は完全実力勝負ですが、計算は運の要素が強いです。
しかも、他の税法と違って理論30点計算70点の配点。

なぜ計算が運の要素が強いか。
毎年、予備校で習ってない項目が2つは出ます。
他の税法でももちろん未学習項目は出ますが、その税法を理解していれば答えを導き出せるようなものか、手も足もでないからスルーすべきものの2つに分かれると思います。

酒税法の未学習項目の場合は、完全に丁半博打です。
そこでハズレくじを引いたらまた来年、ってな具合です。
しかも、最終値を出すのが前提の総合問題のため、スルーもできません。

僕は1回目の受験では理論は満点、計算で未学習項目でハズレを引き、もう1つミスをしました。
もしかしたら受かってるかなーと期待してましたがA判定。
まぁミスしてしまってる以上、仕方ないな、と思っていました。

2回目の受験では、理論は問1と問2(1)(2)のように分かれていました。
問2(2)が事例形式で、結論を完全に外してしまい、ベタ書きした理論も的外れなもの。
講師も「ここで合否が分かれるでしょう」と言っていたので、計算はおそらく最終値まで合っていた感触でしたが、ほぼ諦めていました。が、合格。

僕が合格した年も未学習項目が出ましたが、その部分については、予備校の模範解答も、大原とTACで見解が分かれていました。(僕は大原ベースで正答)
そんな部分で合否が決まる可能性があるのです。

1回目の受験では運が悪く、2回目の時は運が良かった。
これ以外考えられません。

勘違いしないでもらいたいのが、運だけで合格できるわけじゃありません。
合格レベルに達した人たちが運で左右される、っていう話です。

実務で全く役に立たない

これは説明不要ですね。
素直に消費税法or所得税法を勉強しておけば良かった、と思うことが多いです。
(その選択をしていたら今税理士かどうかわかりませんが)

当然といえば当然ですが、就活でも全く評価されません(経験談)

無理やり酒税法のいいところを探してみた

酒税法受験に向いている人

色んな事情で3月くらいから勉強を開始した方。
酒税法なら3月からでもギリ間に合うかもしれません。

法人・所得のどちらかを含む4科目合格済みで、ラスト1科目が仕上がってる方の6科目目。

1科目は1科目だ、と完全に割り切れる方。

酒造メーカーの税務顧問を絶対にやりたい!!!って方。いるの?

お酒が大好きで、酒税について興味を持てそうな方。

役に立ったこと・立ちそうなこと

お酒に関する豆知識みたいなのが増えます。
特に製造方法とかですね。あとビールと発泡酒、第3のビールの違いとか。
飲み会多い方なら小ネタになるかも。僕はもう完全に忘れましたけど。

あとは売られてるお酒にかかってる酒税がいくらなのか、一瞬でわかるようになります。
350mlのビールは77円、みたいな。

とかまぁ色々書きましたが、もちろんすでに合格レベルに達してる方はそのまま突き進んでください。キープも他の科目に比べたら楽だとは思うし。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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