漫画『インベスターZ』がスモールビジネスの勉強にもなって面白い




最近(いまさら?)インベスターZをネカフェで読んでいます。
なかなか面白い作品なので、記事にしてみます。

インベスターZとは

インベスターZは、「ドラゴン桜」で有名な三田紀房さんの漫画作品です。

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あらすじはこんな感じ↓

お金って何だ?
創立130年の超進学校・道塾学園に、トップで合格した財前孝史。
入学式翌日に、財前に明かされた学園の秘密。各学年成績トップ6人のみが参加する「投資部」が存在するのだ。
彼らの使命は3000億を運用し、8%以上の利回りを生み出すこと。
それゆえ日本最高水準の教育設備を誇る道塾学園は学費が無料だった!
「この世で一番エキサイティングなゲーム
人間の血が最も沸き返る究極の勝負……それは金、投資だよ。」

引用元:Amazon商品説明

「インベスター=投資家」という意味。
主人公である天才中学生「財前孝史」が、ゼロから投資を学び・実践していく過程をストーリーにしている漫画です。

自分のビジネスに置き換えて考えるとおもしろい

作品内では、株式投資をはじめとして、FX、不動産投資など、さまざまな投資が題材にされ展開されていきます。

もちろん、それぞれの投資についての基礎知識やノウハウも紹介されていますが、
だからといって「読めば投資がわかる」「読めば投資で勝てるようになる」というわけではありません。

僕も株をやっているので入門書などはそれなりに読んだことがありますが、
基礎知識やノウハウは、入門書を読んだ方がはやいですし詳しいです。当然ですが。

 

この漫画の魅力はそこではなく、「お金とは」「投資とは」「自分がやってるビジネスとは」ということを考えるキッカケになるところです。

作中では、

  • セブン&アイHD
  • 何かと話題のZOZO前澤元社長
  • ホリエモンさん
  • ジャパネットたかた社長
  • DMM亀山会長
  • 他にもベンチャー企業社長が多数

など、実在する企業や人物が登場し、会社の強みや成り立ち、ご自身の考え方やエピソードをふんだんに語ってくれます。
(作者の方が実際にインタビューされているのでしょうか?)

 

個人的には、ジャパネットたかた社長の「カメラ屋はカメラ機や技術を売るのではない」「モノを売ることだけに限定して考えると商売の成長はない」

DMM亀山会長の「失敗を恐れずに安定収入を新規投資に回すのは生き残るため」「リスクを取らないリスクほど恐ろしいものはない」

といったエピソードが面白いなと。
おふたりともまさに「叩き上げ」って感じの生い立ちなのもカッコいいですし。

人物・規模ともにスケールが大きすぎる気はしますが、自分に置き換えて考えることで参考になる部分は確実にあります。


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他にも、

  • 人類とお金の歴史
  • 日本経済の歴史

といったことも詳細に解説されており、お金について今一度考えるキッカケになります。
(こういったエピソードで知識欲をくすぐってくるのもうまいなぁと)

個人商店にとって「成長と拡大」は悪魔の囁き

中でも僕が共感を覚えたのは、街の喫茶店オーナーのエピソード。

いわく、

  • 個人商店は3S(スリム・シンプル・スロー)がキモ
  • 個人商店にとって成長と拡大は悪魔の囁き
  • マーケット管理が重要

だと。

3S(スリム・シンプル・スロー)

「100円のコンビニコーヒーや大手カフェチェーンがそこら中にある時代に、個人の小さな喫茶店経営が競争に勝てるわけがない」
というセリフに対し、オーナーは以下のように答えます。

「競争なんかしなくていい、繁盛しなくてもいい。行列ができていつも満員なんて御免こうむる」と。

そして個人商店にとっては、以下の3点が大切だと続けます。

  • スリム:極力少人数で低コスト
  • シンプル:品数が最小限
  • スロー:あまり忙しくない

軽食を出さないのも、仕入や仕事量を増やさないため、
忙しくなって繁盛して人を雇わなくてはならなくなるのを避けるため、と。

大手小売チェーン、大手カフェチェーンとは真逆の戦略であり、
そういった大手との競争を避けるための戦略とも言えます。

成長や拡大は悪魔の囁き

商売がある程度軌道に乗ってくると、「もっと売れ、もっと広げろ」という気持ちになってくるものですが、

オーナーは「個人商店にとって、成長と拡大は悪魔の囁きなんだよ」と言います。


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例として、「なぜ日本の商店街はシャッター街になってしまったか」という話が取り上げられていましたが、
身の丈を超えた経営で身を滅ぼした個人商店のエピソードは、
勤務時代に多くの個人事業主を担当してきた僕にとっても納得のいくものでした。

個人商店が拡大路線に走るときの大きな課題として、以下の2つがあります。

  • 市場規模と売上計画(需給)の不一致
  • 人を雇うことの難しさ

このどちらか1つでもうまくいかないと、拡大は失敗します。
そして企業と違って個人商店のようなスモールビジネスは資本力がないので、1度の失敗が命取りになります。

大切なのは、マーケット管理

だからこそ、食べていくためには、

  • どういうお客さんにどういうサービスを提供し
  • どうやってサービスを回していくのか

というマーケット管理が重要だということでした。

(この喫茶店では、半径200m以内に分譲マンションが16棟もあり、入居者の35%が高齢者とのこと)

市場の需給バランスをしっかりと把握し適切なポジションを取っていれば、
無理な拡大・成長戦略を取らずにしっかりと経営していける、と解釈しました。

 

この喫茶店のエピソードは、大企業やベンチャー起業家などのスケールの大きい話よりも、
僕にとっては身近で、地に足がついていて、腑に落ちるものです。

この喫茶店のエピソードがあるのは11巻です↓

 

最近僕は世の中の「売名できればなんでもいい」「数が正義」的な風潮に違和感を覚えていました。

例えばブログにおいてPVは重要ですが、「PVが稼げさえすればいい」というものではなく、
「仮想お客様に対して仕事を依頼して頂けるようなPVを稼ぐ」ことが大切だと思っています。

税理士として食べていくためにも、クライアントの数・売上といった数字は大切ですが、
「クライアントが多い方がすごい」「売上が多い方がえらい」「デカい税務のほうがかっこいい」というものではありません。

1つ1つのクライアントに対してどれくらい貢献しているか、
売上そのものよりも時間あたりの利益はいくらなのか、
といったことを考えていくほうが、中身があり、価値もあります。僕にとっては。

(この話、長くなりそうだから別記事にしようかな)

 

正直なことを言うと、僕自身「人を雇うかどうか」については迷いがあります。

ありがたいことにそこそこお仕事をいただけているので、「人に任せられる部分は任せたいな」としょっちゅう考えます。
(良くも悪くも任せられない仕事が多いのですが)

しばらくはひとりを維持するつもりですが、今後一切雇わないかというとわからないというのが正直なところです。

ただ雇うとしても、それは「仕事が回らなくなったからなんとなく」という雇い方はせずに、
マーケット管理と売上戦略を考えた上で慎重に判断しようと思ってはいます。

(できればテレワークで。税理士法関係も変わってくれることを願います)

 

長くなりましたが、読みながら色々考えるきっかけになりました。

インベスターZ、読んでみて頂ければ。

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[編集後記]

月曜日は、法人決算を中心に。
昨日は、娘とふたり。家で遊んでました。

僕が料理をしていると手伝いたがる娘。
ショウガをすりおろしたり、卵を割って混ぜるくらいのことは任せてみています。
火と包丁と生肉に触れさせなければまぁ大丈夫かなと。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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