決算(確定申告)直前でもできる定番の節税対策4つ




決算直前でもできる節税策をまとめてみました。

本当は決算直前にバタバタしないほうがいいけれど

毎月月次決算を行っていると、
「どれくらい利益が出そうなのか」「どれくらい税金を払うことになるのか」
ということがわかってきます。

フリーランスの月次決算・納税予測入門|確定申告前に税金をいくらくらい払うか知っておこう

月次決算(試算表)で、税金(法人税・消費税・源泉税)をどれくらい払うかざっくりと予測する方法

 

利益が出ることは嬉しいことですが、同時に
「こんなに税金を払うのか…」「なんとか節税できないかな」という気持ちも出てくるかもしれません。

 

本来であれば決算直前になってバタバタするのはよくありませんが、

決算直前でもできて、かつ、「これはやっておいて損はない」というものもありますので、紹介してみます。

(ここでいう「直前」は、3月決算の会社であれば、3月頭に動き出せば間に合うくらいの感覚です)

決算直前でもできる、定番の節税策4つ

決算直前に行える定番の節税策として、次のようなものをオススメしています。

経営セーフティ共済

経営セーフティ共済は、「取引先が倒産等した場合に、支払った掛金の10倍まで借入を受けられる制度」です。

掛金は月額5千円~20万円までの範囲で設定でき、支払った掛金は全額損金(経費)に算入できます。

 

ポイントは、「1年分の掛金を前払いできる」ということ。

1年分の前払いであれば、全額支払った年度の損金になりますので、決算直前でも最大で「20万円×12ヵ月=240万円」の経費を増やすことができます。

決算直前にまとまった金額を支払いたいのであれば、一番有効だと考えています。

 

解約すれば支払った掛金は戻ってきますから損はしませんし、いざというときの備えになるので入っておくべきです。


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「節税効果」よりも「将来の備え」という面からオススメしている制度です。

(解約して手当金を受け取れば収益になりますので、税金の支払いを先送りにしているにすぎません)

参考リンク:中小機構 経営セーフティ共済

小規模企業共済

小規模企業共済は、フリーランス・社長のための退職金積み立て制度です。

掛金を月額千円~7万円までの範囲で支払い、支払った掛金は全額所得控除をすることができます。

 

小規模企業共済も、「1年分の掛金を前払い」することができます。

なのでフリーランスの方が確定申告直前にまとまった金額を支払いたい場合に有効です。

 

ただし、この制度はあくまでも「個人の所得控除」になるものであり、「法人の経費」にはなりませんので、
法人の決算直前の対策としては使えません。

(決算後、役員報酬アップ→アップした分を小規模企業者共済に回しましょう)

 

とはいえ制度的には非常にメリットの大きいものですので、オススメです。

僕自身も加入していますし、クライアントには必ずといっていいほど加入していただいています。


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似た制度にiDeCo(確定拠出年金)がありますが、こちらは前納はできません。国民年金基金は前納できますが

参考リンク:中小機構 小規模企業共済

投資をする

投資をするのもオススメです。

ただし、ここでいう投資は、株や投資信託への投資ではありません。

設備(備品やシステム)、知識(本やセミナー)、営業(広告や人脈)といった、「未来の売上に繋がる投資」です。

 

お金を使うことで生産性がアップしたり、将来の売上に繋がる見込みがあるのであれば、迷わずそうすべきでしょう。

フリーランスや中小企業にとって「お金を残す=守る」ことは大切ですが、それと同じくらい「未来の売上を作る=攻める」ことも大切です。

決算賞与

決算賞与を払う=従業員さんに還元するのも手です。

決算賞与の場合、「当期中に支払う」必要はなく、「当期末から1ヶ月以内」に支払えば、当期の損金にすることができます。

当期においては未払でも損金にできるため、決算直前の節税策としては定番となっています。

 

ただし、未払でも損金にするためには、以下の要件をクリアする必要があります。

  • 支給額を、その人ごとに、かつ、全員に通知すること
  • 通知した金額を、事業年度終了の日から1ヶ月以内に、全員に支払うこと
  • 通知をした事業年度において損金経理(未払金として計上)をすること

(わかりやすくするために崩して書いていますので、実行する場合には以下のリンクで正確なものを確認してください)

参考リンク:国税庁 使用人賞与の損金参入時期

どれかひとつでもクリアできないと認められないので気を付けましょう。

節税をする上での注意点

このブログに何度も繰り返し書いていることですが、

「税金を嫌うあまり、手元のお金を減らしては意味がない」ということは心に刻んでおきましょう。

 

「節税」という甘い言葉の正体は、マジックでもなんでもなく、
「お金を使った分、利益が減る」「利益が減れば、税金も減る」という単純なものがほとんど
です。

この記事で紹介したものも例外ではありません。

将来の備えになる、売上に繋がるなど、節税以上に良い面が多いので定番になっているという面があります。

 

利益が100万円だとすると、税金は30%として30万円。
税金を払っても100-30=70万円手元に残ります。

この30万円を嫌うあまり、100万円使って利益をゼロにしたとすると、
確かに税金は30万円減りますが、手元のお金もゼロになります。

 

節税には限界があります。

この記事で紹介したような「まっとうで将来に繋がる節税」をきっちり行ったら、残りは諦めて税金を払う。

気持ち的には納得しにくいのですが、これが最も手元にお金が残る方法です。


[編集後記]

昨日は、仕事を早めに切り上げ柏の葉ららぽーとへ(ひとりで)。

娘が最近なかなか寝たがりません。
「せっかく楽しく遊んでいるのに!」という感じのようです。

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この記事を書いた人 入野 拓実
独立4年目の31歳。自称「とっつきやすい系税理士」
中小企業やフリーランスの税務顧問、相続税申告のほかに、
自力申告・独立支援・法人化などのコンサルティング業務を行っています。
各種セミナー、執筆実績多数。
1989.3.6生まれ。妻・娘と3人暮らし。
スーツよりセットアップ派。
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